SEO小説「五郎と怪傑ホワイトハット」 第2話
– 前回までのあらすじ –
帽子ショップを運営する五郎さんは、検索順位がふるわないことで悩んでいた。
悩む五郎さんの前に、怪傑ホワイトハットという謎の人物が現れる。
SEOの極意を伝授しようとする怪傑ホワイトハット。
彼は一体何者なのか!?
そして、彼のSEOテクニックとは一体!?
衝撃の第二話が、今始まる・・・!
◆
五郎さんと怪傑ホワイトハットは、店の「庭」に出ていた。
『あの・・・。なんでうちら、庭にいるんでっか?』
「細かい事は気にするな」
『せやかて・・・』
「さて、お主が大切に育てているという盆栽を見せてもらおう」
『・・・これですわ』
「むむっ!?これがお主の盆栽とな!?」
怪傑ホワイトハットは驚いた。
そこには見事に手入れされた盆栽が、神々しいオーラを放ち、凛とした佇まいでこちらを向いていたからである。
「こ、この盆栽は素晴らしい・・・」
『ふっふっふ。どうや、驚いたか。わしはな、盆栽を育てることに関しては、ちょっとしたこだわりを持っておるんや』
「おぬし、SEOに関しては凡才だが、盆栽に関しては天才なのだな・・・」
『・・・・・・い、今の発言は忘れたるわ。とにかく、わしの盆栽がSEOとどういう関係があるのかを説明してくれや』
「率直に言おう。お主の盆栽をサテライトサイトのネタにする」
『サテライトサイトやて?』
「そうだ」
『なんだそりゃ?』
「サテライトサイトとは、SEOでいうところの衛星サイトのことだ。まあ簡単に言えば、メインサイトへのリンクを貼り、メインサイトのSEO効果を高めるサブサイトのことだ」
『サブサイト・・・』
「SEOの初心者はメインサイトにリンクを貼ってもらうことばかり考えがちだが、サテライトサイトにリンクを貼ってもらうことで、メインサイトへのリンク加点が三次元的に加わる。すなわち、極端に言えば、メインサイトの人気が無くても、サテライトサイトにリンクが貼られれば、そこからのリンクは、人気あるサイトからのリンクとして、大きな加点要素となるということだ」
『なるほど。じゃあ、エッチなサイトいっぱい立ち上げれば良いってわけやな』
「ばかもーん!!!」
ドカッ!!
その瞬間、五郎さんの体が空を待った。
怪傑ホワイトハットの強烈なストレートが五郎さんの右頬を直撃したのだ。
『いてーっ!!何するんじゃこのマント野郎!!エッチサイトは人気出やすいんやぞ!!』
「黙れいっ!!そんな考えだから、いつまで経ってもSEOが成功せんのだ!!」
『なにーっ!!?』
「お主の頭には【関連性】という言葉は無いのか!?」
『関連性!?』
「SEOで一番大事なのは、サイト同士の関連性だ」
『・・・!そ、そう言えば聞いたことがあるわ・・・。リンクを結んだ二つのサイトの関連性が高ければ、リンク効果が高くなるという話を・・・』
「おおっ、知っているではないか」
『そうか、関連性か・・・。なるほど、確かにエッチサイトと帽子にはほとんど関連性がない。そう考えると、盆栽と帽子には十分な関連性があるというわけか・・・・・・・・・・・・ってあらへんやんけ!!!』
「そうだ。盆栽と帽子に関連性があるなんて誰も言ってない」
『なんじゃそりゃっ!!、おいっ、マント男、これまでの135行のやりとりは何やってん!」
「まあまあ、落ち着け。関連性は自ら生み出すこともできるのだから」
『み、自ら生み出す?』
「そうだ。関連性を自ら生み出すのだ」
『どういうことや?』
「帽子と盆栽をクロスさせたコンテンツを作るのだ」
『ぼ、帽子と盆栽をクロス!?』
「例えば、こんなコンテンツはどうだ?」
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タイトル:帽子屋五郎の盆栽「カトリーヌ」育成日記
内容:帽子屋のネットショップを営む五郎店長が、店舗の庭で育てている盆栽「カトリーヌ」に関する思いを語る
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『なんじゃそりゃあ!!なめとったらあかんぜよ!!』
「ま、待て!落ち着け!、私なりに考えがあってのことだ」
『考えだとおー!?、聞かせてもらおうじゃねーか!』
五郎はホワイトハットの前にあぐらをかいた。
「ゴ、ゴホン。最初に伝えたいことがある。すべてのことには理由が存在するということだ。SEOを成功させるには、理由の無いコンテンツを制作してはいけない。私がさっきのコンテンツを考えた理由はこうだ!」
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帽子に関するサイトからのリンクを集めるのは難しい。なぜなら、「帽子」は趣味的キーワードとは言いにくく、帽子に特化した個人ブログが少ないからである。そのため、帽子というキーワードからは一旦外れてみる。
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趣味的要素の高いキーワードが何かを考えてみる。自分が趣味として楽しんでいるものは何かを単純に考える。
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趣味として楽しんでいるものであれば、ネタには困らないため、コンテンツ制作の負担は減る。コンテンツを充実できる可能性は高い。
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趣味で運営している個人ブログや個人サイトは、コンテンツが充実していることが多いため、それらサイトからリンクされると、自分のサイトの価値が上がる。
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『なるほど・・・。趣味的要素が重要というわけか。ただ、それだけじゃあ漠然としすぎとるわな』
「まあまあ焦るな、大事なのはここからだ」
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関連性で重要なのは「リンク元のタイトルタグ」や「description」、「リンクが貼られるアンカーテキスト」や「アンカーテキスト周りの段落のテキスト」である。
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盆栽関連サイトからリンクをもらう際、「盆栽」というキーワードだけでは帽子への関連付けができないため、「帽子」というキーワードを含めてリンクしてもらえるサイト名を考えてみる。
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その際、帽子というキーワードを含むだけでは駄目で、できれば、紹介文などで帽子に関して触れてもらいたい。
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そこで、【帽子屋五郎の盆栽「カトリーヌ」育成日記】というサイト名を考えてみる。
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一見、わけのわからないサイト名だが、このサイト名だからこそインパクトがある。
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「帽子屋五郎」という人物をブランディングすることで、サイト紹介の際、「帽子屋五郎」について取り上げないわけにはいかなくなる。そうすれば、リンクテキストに「帽子」が入ることは勿論のこと、五郎という人物が営む帽子屋に関するテキストも増えるはず。
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また、盆栽の名前を「カトリーヌ」にしたのは、盆栽とのミスマッチを利用したダメ押しテクニックである。
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例えば、盆栽が「和」だとすると、カトリーヌという言葉は「洋」である。帽子はどちらか言うと「洋」なイメージが強いため、カトリーヌと帽子との間で「お洒落」という別のキーワードの受け渡しが可能となる。
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帽子屋のオーナーである五郎は、日々の業務の傍ら、盆栽を趣味としていた。
帽子の販売業で培った「お洒落エッセンス」を注ぎ込んだ彼の盆栽は美しい。
その盆栽の名は「カトリーヌ」。
帽子屋に訪れる客の誰もが目を奪われる、珠玉の盆栽である。
これは、帽子屋五郎と、盆栽「カトリーヌ」との愛の物語である。
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『な、なるほど・・・。計算し尽くされたコンセプトというわけやな・・・』
「そうだ。人間は考える生き物だ。サイトを【明確なコンセプト】を持って立ち上げる、こうすることで、検索エンジンが上位表示させずにはいられないサイトが完成する」
『じ、上位表示させずにはいられないサイト・・・』
「唯一無二のサイト=オリジナリティーのあるサイトだということだ。お主のサイトは盆栽に関するサイトではあるが、【帽子屋五郎】という名はやがて独り歩きしていくだろう」
『な、なるほど・・・』
「さあ、いよいよここからが本番だ。サイトの中身となるコンテンツ制作の話に移ることにしよう」
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『ひ、ひとつ言わせてもらって良いでっか?』
「なんだ?」
『帽子サイトのSEOを行うのに、こんな変なコンテンツ立ち上げて、ほんまに大丈夫やろか・・・?』
「なんだ。そんなことまだ言ってるのか」
『さっきはあんたの勢いに押されたけど、やっぱ帽子屋が盆栽ブログってのはなあ・・・』
「盆栽はお主の趣味なのであろう?お主の心の中には盆栽があるのだろう?、なら、それを表現して何がおかしい?。コンテンツを立ち上げるというのは、お主という人間そのものを表現することだ。
自分という人間を表現せずして、何がソーシャル化だ。そんな上辺だけのやりとりに、継続して濃いリンクが集まるのか?」
『でも、【アルファブロガー】っちゅう人達は、いろんなニュースやノウハウを紹介してリンク集めてはるんやろ?』
「人にはそれぞれに合ったコンテンツ制作法がある。人の真似をしていても仕方がない。お主にしか作れないコンテンツを作るのだ。帽子屋五郎にしか作れないコンテンツを!」
『わしにしか作れないコンテンツ・・・』
「今のネットに足りないものは何だと思う?」
『足りないもの?・・・。う、うーん。エ・・エッチサイトでっか?』
「アホか!!今のネットに足りないのは人間的な【熱さ】だ!人間の心が持つ【熱さ】が絶対的に足りないのだ。熱さが足りない今のネットだからこそ、熱いコンテンツが露出できるチャンスがあるのだ」
『あ、熱さ!?』
「自分が書いたブログ記事を好きになってもらおうなどと考えるな!その記事の先にある【自分自身】を好きになってもらうことを考えろ!」
『じ、自分自身!?』
「自分が気に入ったタレントは応援したくなるだろう?、それと同じだ。自分という人間を気に入ってもらうことを考えろ」
『自分を気に入ってもらうこと・・・』
「そうだ。露出する勇気がないなら、ネットビジネスなんて辞めるんだな」
『えええーっ!』
「ただ、最初のうちは、他人からはお主という人間が見つけにくい。そこでSEOが力を発揮するわけだ。検索エンジンに見つけもらいやすいよう、HTMLソースを検索エンジンのガイドラインに沿って作成したり、インデックスの妨げとならないよう、文章を美しく整理するわけだ。それが本来の検索エンジン最適化(SEO)だ」
『本来のSEO・・・』
「なにはともあれ、これから作るコンテンツは、帽子屋かつ盆栽マニアである、帽子屋五郎だからこそ作れるコンテンツだ。受けるかどうかは、実際に作ってみないと分からん。ただ、これまでの統計で、どんな内容のコンテンツが人気が出やすいか、ある程度のガイドラインは分かっている。そのガイドラインをベースにコンテンツを作るぞ!」
『は、はい!!』
「よし!その意気だ!コンテンツを作ること自体は、SEOではなくWebプランニングになるが、SEOの知識が無いままプランニングすると、せっかくのコンテンツも十分なアクセスが稼げないものとなる。SEOの知識はもはやWebプランナーにとっては必須の知識なのだー!」
◆
『さ、最後にもう一つ良いでっか?』
「何だ?」
『わての盆栽・・・。本当は【花子】って言うんやけど・・・』
「花子という名は捨てろ!今日からあの盆栽は【カトリーヌ】だ!」
『そ、そんなあ・・・』
「露出を目的としたコンテンツ制作は、芸能人のプロデュースワークと同じようなものと思え!水木哲也は野口五郎に改名してからフィーバーしただろうがっ!」
『ホワイトハットさん、あんた一体、年齢はおいくつでっか・・・?』
「そんなことはどうでも良い!ああっ、ページが足りなくなってきたではないか!!。く、くそー、話の続きは来月に持ち越すぞ!」
◆
かくして、ホワイトハットの説得で【帽子屋五郎の盆栽「カトリーヌ」育成日記】とかいうコンテンツを作ることになった五郎。
帽子関係のサイトからリンクを獲得できないなら、盆栽のサイトからリンクを集めよ、というホワイトハット。彼がプロデュースするコンテンツとは一体どんなものなのか?
そして、勝手に【花子】から【カトリーヌ】へ改名させられた盆栽の運命は如何に?
激動の第三話に続く。