「スパムと判断されました、ドメインはもう使えませんよ」なんて騙されていませんか?

公開日:2008/10/15
執筆者:渡辺 隆広

Sphinn Japan Blogでもブログを担当することになりました。とはいえ、他のブログやメディアなどでも色々と書いているので、さて、Sphinn Japan Blogは何をテーマにしようか考え中です。とりあえず今回は、「今年に入って頻繁に相談されたことベスト3」の中の1つでも紹介したいと思います。

* *

今年だけで、次に紹介するような相談を何度も受けました。

1. Yahoo!JAPANでの検索順位が大幅に低下したので、とあるSEO会社に相談した
2. SEO会社は「これはスパムですね、ドメインがもうダメです、新しい
ドメイン取得して対策しなおしましょう」と提案 → 発注
3. しばらくの間、新しいサイトで上位表示されていたが数ヵ月後に
ふたたび順位が低下。同じ会社に相談したら「こちらのドメインもダメですね、
新しいドメイン取得して対策しなおしましょう」と提案 → 発注

(以上、繰り返し)

→どうしたらいいでしょうか? (私に相談)

このSEO会社は検索順位が落ちた企業に対して「ドメインがもう使えませんよ」と説明することで、新規のWebサイト制作も受注できて儲かるから適当な説明をしているのでしょう。けれども、今年に入って、こういう相談を色々なところから聞くので、きっとそういう悪質な業者がちらほら存在するようです。

実際のところ(この事例のようにお金は払わずとも)検索エンジンスパムと認定されるとドメインを手放さないと考えていたり、あるいは検索順位がちょっと落ちただけでスパムとみなされたと考える人が多いようです。特に、検索順位に敏感な、自分でSEOを勉強し、実践されている方に多いようです。

何が間違っているのかを整理しましょう。

1. 「検索順位は変動して当たり前」という感覚をみにつけよう

2000年頃のようにインデックス更新が月1回となっていた頃は、その更新サイクルごとに検索順位は安定していました。例えば1月1日の更新で1位になったら、次の更新 – 2月上旬までは常に1位です。しかし、今日の検索エンジンはYahoo!、Googleともに日々インデックスが更新されていますので(※ Yahoo!JAPANは公式ブログでアップデート告知がありますが、それとは別にインデックス更新は常に行われている)、順位は変動するものです。特にGoogleはそれが顕著で、キーワードによっては朝と夕方で順位が変わる場合もあります。「プラスマイナス10前後は常に変動するもの」と捉えておきましょう。昨日まで5位だったキーワードが今日は18位に落ちていても、1週間後には再び5位に戻っている、なんてことは日常茶飯事です。

2. 流入トラフィックの指標も組み合わせてみよう

特にGoogleは検索順位の変動が激しいキーワードがあります。パーソナライズ検索の有効/無効や、アクセス元PCなどによっても同時間帯にも関わらず順位が違う場合もあります。時事的なキーワード、話題性のあるキーワードで日々新しいページが登場したり、そのキーワードに関連するコンテンツの更新頻度が全体的に高いものは、ランキングが安定しない傾向があります。こうしたケースは順位だけでSEOの成果を測るのではなく、検索エンジンからの流入量(トラフィック)など他の指標と組み合わせて判断しましょう。検索順位が不安定でも、トラフィック流入量を見れば「あ、私のサイトはだいたい○位くらい相当なんだな」というのがわかることもあります。

3. 検索順位の低下 = 検索エンジンスパム判定ではありません

順位が落ちたら検索エンジンスパムと判定されたと考える人がいるのですが、順位下落=スパムではないので注意してください。検索エンジンスパムとは、検索各社が定めるガイドラインに違反した場合を指します。検索会社が検索結果のレリバンシー改善のために行った調整の結果、評価の仕方がかわったことにより順位が変わることは当然ありますが、これはサイト運営する皆さんに非があるわけではありません。インデックスの更新も常に行われていますので、同じキーワードでより関連性が高いコンテンツが増えれば、あるページの順位が相対的に下がるのも当然の話です。少なくとも、皆さんが自分自身で「明らかにこれはおかしいだろ」と思い当たるふしがない限り、大抵の場合、検索エンジンスパムが原因ではありません。

私は今までに色々な人から「私のサイトは検索エンジンスパムとみなされたんでしょうか?」という相談を受けたことがありますが、98%はスパムが原因ではなく、元々サイトの構造に欠陥があって(たまたま従来は評価されていただけ)、リンク元サイトが何らかの理由で消滅したことによるリンク評価の低下など、スパムと無関係でした。

4. 「検索エンジンスパム = ドメインはもう使えない」は誤りです

冒頭で紹介したSEO会社の対応で一番悪質なのは、この「ドメインはもう使えませんよ」という説明です。(一応、SEO会社がいうことなので)信じてしまう人がいるようですが、基本的に、検索エンジンスパムによってドメインそのものを放棄しなければいけないようなケースはほとんどありません。昔はそういう話がありましたし私も事例を見たことがありますが、今日は対応をすればドメインごと葬られることはありません。たとえばGoogleであれば、ガイドライン違反を取り除き、Googleに再申請をすることで再び掲載してもらうことができます。誰かから譲り受けたドメインが過去にペナルティを受けていて掲載されない場合でも、その旨をきちんとGoogleに説明すれば掲載してもらえます。Yahoo!も同様です。相当悪質なことを再三にわたって行ってきたとか、特別な(?)事情があるならともかく、そういう方は極めて稀です。

アイレップ
渡辺隆広

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この記事へのコメント

6 Comments »
    Comment by ally
    2008/10/15@9:47 AM

    「こちらのドメインもダメですね、新しいドメイン取得して対策しなおしましょう」→あまりにもひどいですね…
    お客様に知識がないのに付け込む、悪質な業者です。最近こういった業者も(ここまでひどいかどうかは別として)多いかと思います。
    お客様の方でも基本的な知識(ないし「これはおかしいんじゃない?」という感覚)を身に付けて、上手に業者を使って欲しいと思います。

    Comment by 清音
    2008/10/15@10:57 AM

    SEOに限らず、企業で何らかのコンサルティングや弁護士さんなどの世話に成る場合は、担当者も最低限の知識がないと騙されてしまう。
    こういうことは是非知っておきたいですね。

    Comment by ならら
    2008/10/15@12:51 PM

    こういう指標というか、簡単な前知識があるだけでずいぶん違いますね。

    企業のweb担当者にとって非常にありがたいのではないでしょうか。

    Comment by 塚 良知
    2008/10/15@2:38 PM

    丸投げの罠。「発注側のスキル」が問われる。

    Comment by 神居
    2008/10/15@11:45 PM

    繰り返し同じSEO会社で受注し、尚且つそのような提案をしているということは、スパムまがいの手法を自ら行っていることを吐露しているようなものですが・・・。このような相談が多い、というのは恐ろしいですね。

    Comment by 佐藤 繁
    2010/1/24@1:46 AM

    はじめまして、お教え頂けましら幸いです。
    あるアドレス(サーバー)に不足が有り、1年程前に301リダイレクトのメタタグを書いて引っ越しをしました。
    で最近、そのアドレスを使って301リダイレクトのメタタグを消して、小さなサテライトページ(25ページ)を作りました。
    しかし、クローラは今も中ページを見ずに引っ越し先へ行ってしまっているようで、サイトエクスプローラで見ると、見られてるのは
    ttp://sato0127.3.pro.tok2.com/index.html ←これは引っ越し先へ行ってしまう
    ttp://sato0127.3.pro.tok2.com/
    の二つだけです。

    或る方に依ると、もうこれは永久に変えることが出来ないかもしれないというのですが、
    もう使えないという事でしょうか?

    Yahooさんに依ると「個々の設定はお答え出来ない」という事ですが.・・。

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