Googleから学ぶSEOの目的とECサイトの運営方針

公開日:2010/2/5
執筆者:fujiiakie

Googleは1998年に創業された、まだ12年もたっていない企業です。

キーワード検索を中心に、たくさんの無料サービスや開発者用の実験を提供され、日本でもたくさんの方たちがGoogleのサービスを使わせて頂いています。

インターネットで収益化するっていうことは、EC(電子商取引)サイトとも言えますよね。短期間で成長して、世界中に愛される企業をお手本として、検索エンジン最適化とWebサイトの運営を考えてみましょう。

Googleの目的は広告収入

2009年の第4四半期決算では、Googleの売上の97%が広告収入(自社サイト66%、Adsense31%)だったそうです。広告主は Google AdWords から1クリックの単価として入札する仕組みです。

企業の目的は利益をたくさん得ることですので、Google は自社サービスと AdWords と Adsense を使いやすくして、できるだけ多く広告をクリックされることが売上の向上につながります。そのために、無料のアクセス解析ツール( Google Analytics )に  AdWords や Adsense をつなげて分析できる方法をとっています。

でも、ここで疑問があります。

なぜ、AdWords にはコンバージョンオプティマイザーのように「クリック数や単価の向上と関係のない機能」があるのでしょうか?ページが最適化されてコンバージョン数が上がっても、Google の売上には直接関係ありませんし、最適化していくとクリック単価をおさえることもできます。

Analytics だけでなく、他の無料サービスでも広告が表示されないツールがたくさんあります。もしかして、Googleの開発者は遊んでいるのでしょうか?

SEOの目的は集客

ECに限りませんが、Webサイトへの集客でSEOが関わるところを大きくわけて順番にすると3つの流れになります。

  1. 検索エンジンの市場シェア
  2. 検索キーワードの需要
  3. 検索結果のクリック率

日本ではYahoo!の利用率が高く、Googleは2番目です。

キーワードの需要はトレンドや検索回数だけではなく、検索ユーザーが何を目的に検索しているかが関わります。高い順位は、クリック率が高く集客数も上がります。

これらをまとめますと「Yahoo!検索のビッグキーワードを狙って検索順位を上げることがSEOの目的」になります。

ホントにそうでしょうか?

Yahoo!のSEO情報はほとんど公開されていませんし、アルゴリズムはより良く変化するためのプログラムで、どこの検索エンジンも検索結果の操作みたく悪用されてはいけないので仕組みを公開していません。

むりやりビッグキーワードやミドルキーワードを「狙う」方法は、ほとんどが検索エンジンスパムとよばれるやり方で、検索順位を不正に操作することがSEO対策と思われていることがよくあります。

根拠や永続性のない順位操作が、(ビジネスで)集客してると言えるでしょうか?

Googleから学ぶ目的と方針

Googleは遊んでいるのではなく、たくさんのヒトに自社のサービスを無料で使って頂くことで広めて、Googleのファンをふやそうとしています。

無料サービスの一部に広告を表示していますけど、利用者の属性に合う広告をアピールすることで、ジャマにならず、限られたスペースから情報を提供しています。

目的(収益)だけでしたら、広告主(AdWords利用者)をふやしてクリック単価をいつまでも上げるシステムにすればよいのですけど、単価が高いだけではなくって、広告の品質を上げなければ費用対効果が低くなり、良い広告は安くても露出の高い場所に掲載される仕組みになっています。

Google利用者に合った質の高い広告は、Googleが費用を低くしてくれます。

SEOの目的は集客だとすると、Googleがしている「広めてファンをつくること」は、ECサイト(お店)の運営方針っていう、もっと上にある大きなところです。

お店の名前を広めるためにAdWords広告で、まずは来ていただき知って頂くこと。商品の魅力だけではなくって、サイト内の導線やデザインを考え、運営姿勢をアピールしてファンになって頂くこと。そのあとに結果としてコンバージョンがあります。

Googleが利用ユーザーを集客しながら、Adsense掲載サイトやAdwords広告主とつなげている部分は方針ですけど、SEOは集客手段のひとつで、Webサイト運営の方針ではありません。

検索エンジンへの最適化は、基本的なサイト構造の最適化ができたあとは、SEOは後にできるもので、先にユーザーに評価されることが大切です。とっても普通のことなのですけど、ムズカシイと思われてるヒトがたくさんいます。

どうしたら良いでしょうか?

サテライトをつくる

ではなくって、情報を整理してまとめたい。ECや企業ページの中ではできないスタッフからの情報発信や、キャラクターを使っておもしろく商品のレビューを見せたい。だから別のサイトとして、SEOでいうサテライトが必要になります。

被リンクをつくる、買う

でもなくって、被リンクが集まるようにコンテンツを制作します。それができたら「こんなのつくったよ!」と、外にアピールすることでリンクを集めます。大企業ではプレスリリースも、中小でしたらファンの方たちが口コミを広めてくれます。

とにかくサテライトと被リンクをたくさんつくって数で勝負!

そんなヒマがあったら、お仕事してください。中身のないリンクばかりのサテライトや、バックリンク目的のペラペラのページはだれにでも作ることができます。だれにでもできないお仕事が、あなたにはあるハズです。

Googleは利用者に合った情報を提供して収益につなげています。検索精度の高さ、速さ、整理された多くの情報を求めてGoogleを利用するなら、Googleへの検索エンジンスパム(不正な順位操作)は、Googleの営業を妨害していることになります。

Googleのようにファンの皆さんのことを考えてWebサイトを運営し、Googleといっしょにヒトへの最適化を協力することが、未来のあるSEOと私は信じています。


私はA型なのでキリが悪くってイヤなのですけど、今回のエントリーで Sphinn Japan Blog への寄稿を一時お休みさせて頂くことにしました。

一番大きな理由はお仕事の頂きすぎです。(ありがとうございます)

Sphinn Japan ブランドと信頼性のおかげさまで、たくさんのECサイトをお手伝いさせて頂いています。自己管理ができていないこともあって、寄稿の時間をあけることがムズカシくなりました。ちなみに、この投稿は6時間もかかっています!

エディターとして Sphinn Japan Blog には参加できなくなりますけど、情報収集は毎日していますので「Sphinn It!」の投票や投稿に参加させて頂きます。Sphinn Japan はソーシャルニュースサイトなのに、情報少なすぎですよね! 🙁

個人ブログ(SEO薬箱)も業務時間に書いていますので、更新頻度は低いですけど、できるだけ時間をあけて、Googleに協力するSEOの情報発信をしようと思います。(ときどき、ちょっとグレーだったりしますけど…w)

今後とも、よろしくお願いいたします!:)

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