ソーシャルメディアマーケティングの流れ 後半

公開日:2009/6/22
執筆者:kezuka

こんにちは。ソーシャルメディアマーケティングに関するコラムの3回目です。

前回のソーシャルメディアマーケティングの流れ 前半に続いてソーシャルメディアマーケティングの企画について紹介していきます。

以下の6つのステップのうちの後半の3つを取り上げます。

1.目的の設定
2.ターゲット選定
3.測定指標と目標の設定
4.戦略立案
5.チャネル選択
6.計測と次の計画

4.戦略立案

戦略を考えて計画に落とし込みます。

どうソーシャルメディアと関連性が強くて興味を持ってもらえるコンテンツを作成するのかと、そのコンテンツを広げるための最適な方法は何かを考えます。臨機応変に対応するためにあらかじめ複数のプランを用意し、それぞれを実行する条件も決めておくといいと思います。

誘導するための仕組みを作る予算(コンテンツ作成など)と、その仕組みを広めるための予算(広告、コミュニティへ書き込むための人件費など)のバランスを状況に応じて設定してください。

広げるためのフックの作成

ターゲットとして選択した層が使っているソーシャルメディアに蓄積されている過去の情報から、どんなコンテンツが人気になっているかを分析してみましょう。すでに人気になっているコンテンツと似せた、もしくは関連づけたコンテンツを提供することで注目を集めやすくなります。

売ろうとしている商品やサービスに直接的に関連しているソーシャルメディアがあれば、そこに直接的な利便性を伝えるコンテンツを提供することが直接的な集客につながりますが、ない場合にはmixiやYouTubeなどの広範なユーザーを抱えているところへそこのユーザーが興味を持ちそうなコンテンツを提供して、サイトの認知度を上げるという方法になります。

たとえば以下のサイトはミキサーを販売している会社のプロモーションサイトなのですが、料理と全然関係のないサイトの口コミで広がり、実際の売り上げにつながっているそうです。

Will It Blend?
Will It Blend? – Wikipedia

料理に関連しているサイトであれば、ミキサーの性能をただ伝えるだけでも広がる可能性がありますが、YouTube、Digg、deliciousなどといった一般的なサイトではミキサーに興味を持っている人の比率は低いため、iphoneをミキサーで粉々にするというインパクトのある動画でミキサーと関連性の低いコミュニティでの露出を増やしています。

どうすれば広がるか

人を介して情報が伝達されていくので、影響力のあるユーザーにどうすれば動いてもらえるのかを考えてチャネルを選ぶといいと思います。チャネルについては以下で説明します。

5.チャネル選択

何を使ってターゲットにアプローチするのかを決めます。既存の外部のものを使うだけでなく、必要であれば自前で作ることもあわせて検討します。

いくつか挙げてみます。

  • ブログ
  • ミニブログ
  • SNS
  • 掲示板
  • Q&Aサイト
  • wiki
  • ソーシャルブックマーク
  • ソーシャルニュース
  • ライフストリーミング
  • 各種ツール
  • ウィジェット
  • 動画・音声
  • 写真・イラスト
  • PDF、スライドなど
  • ゲーム

上記に該当する実際のサイトを知るには以下が参考になります。

「情報メディア」に関する調査 – Yahoo!リサーチのヤフー・バリュー・インサイト

最終的な誘導先となる媒体・コンテンツと、そこに誘導するための媒体を分けてそれぞれで施策を考えてください。フックとなるコンテンツはできるだけ多くのソーシャルメディアと関連づけておいて、取りあげるときの敷居をできるだけ下げるよう工夫します。具体的にはソーシャルブックマークへの投稿ボタンを設置したり、外部サイトに掲載するためのタグを用意して置くなどをします。

広がりやすい仕組みを作ったとしても、何もないところから話題を広げていくのは時間がかかりますので、別途広告などで露出を増やすことや、既存のユーザーに一斉に告知する、影響力のあるユーザーに直接働きかけるなどの何らかのきっかけを作ることで広がりを加速させることを考えるといいと思います。

6.計測と次の計画

計画どおりに実施できたかをチェックしつつ、目標として設定した数値を追っていきます。

注意すべき点をいくつか並べます。

最適なタイミングを選ぶ

タイミングは重要な要素です。時間帯や曜日によってソーシャルメディアを見ている人の数がことなりますし、メディアやサイト運営者の動きも違っています。また、ニュースや外部のサイトの動きを計画に組み込んでいる場合には、外部の変化にどれだけ早く対応できたかは成果に影響を与えます。

また、競争相手となる他のサイトや記事の状況にも左右されます。ちょうど同じタイミングでものすごく人気のある記事が出ると埋もれてしまうかもしれません。逆に、注目されているサイトと自分を関連づけることで、そのサイトの人気の恩恵を受けることができる可能性もあります。

Twitterは仕事してる人が多い昼間よりも夜のほうがタイムラインを見ている人が多い、はてブだと曜日によってホッテントリに入る記事のブクマ数が異なるといった例があります。

臨機応変に対応する

ソーシャルメディアマーケティングは外部の人と多くコミュニケーションを取るという性質上、予想外の反応が出ることがあります。対応の方法によってはイメージダウンにつながります。

嘘や自作自演などは炎上する原因になりますので気をつけてください。具体名を挙げるのは避けますが過去に多くの企業が失敗しています。商品をとにかく褒めて、推薦しているブログやファンサイトが、実はその商品を販売している企業が作成していることがばれて炎上するなどが例としてあります。悪いイメージが連鎖的に広がっていくことになってしまうので気をつけてください。

自分の立場を明らかにする、広告の場合はその旨明記する、何か発生してしまったときは事実であることを認めて謝罪するなどの基本的なことを守りましょう。

キャンペーンにかかわっている人数が多いときには、全体で共有するためのルール、ポリシーを作成しておきましょう。

きっかけを分析する

成功して広がったときにはきっかけとなる動きがあることが多く、あることが発生したことで急速に広がっていきます。そのきっかけとなった出来事は何だったのかを分析して、次からはそれを再現するよう計画を作ります。効果がなかった部分の予算をきっかけに繋がる部分にまわします。

長期的な視点を持つこと

普通の広告やプロモーションよりも蓄積されていく要素が強いので、長期的に考えてどうするのが認知度と信頼を増やすことになるのかを考えて次の計画を立てましょう。

目標として設定した数値以外の効果はないか

予想していなかったところで効果が出ている可能性もあります。目標として設定した数値以外に大きな変化がないかをチェックしましょう。

・最終的な目標である自社サイトのトラフィックは全然増えていないが、外部サイトでの露出はすごく多かった

・サイトへのリンクが増えたことで、売ろうと考えていた商品以外の検索エンジンでの露出が増えて他の商品の売上があがった

以上のような変化に気がつけば次からの計画に活かすことができます。

注意点を箇条書きにするだけになってしまったような気がしますが、少しでも参考になれば幸いです。

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