ソーシャルメディアマーケティングの流れ 前半

公開日:2009/4/24
執筆者:kezuka

こんにちは。毛塚です。

ソーシャルメディアマーケティングに関するコラムの2回目です。
第1回でソーシャルメディアマーケティングとは何かを説明していますので、この言葉をはじめて聞く方はこちらをまずご覧ください。

今回から2回に分けてソーシャルメディアマーケティングの流れを一通り紹介していきます。

以下の6ステップについて2回に分けて紹介しようと思います。なお、この順番で考えるのが正しいというわけありません。

1.目的の設定
2.ターゲット選定
3.測定指標と目標の設定
4.戦略立案
5.チャネル選択
6.計測と次の計画

1.目的の設定

まず、ソーシャルメディアを活用してどのようなことを成し遂げたいのか、目的を考えます。

商品・サービスを売る

コミュニティでいきなり商品やサービスの宣伝をするのは嫌われる原因となるので、まずは関係性を作るところからはじめます。コミュニケーションをとっていく中で、他のユーザーのニーズに合致しているものを提供できるときに商品・サービスを紹介するのが望ましいです。

自分で運営しているサイトに誘導しなくてもコンバージョンまで到達できるケースがあるのがSEOやPPCとの違いです。外部のソーシャルメディアでコミュニケーションを取り、連絡先を交換して直接成約までつなげるといったことも考えられます。人材紹介や不動産などの分野でこのような事例を聞いています。

トラフィックを増やす

トラフィックを増やすには、対象とするソーシャルメディアでのユーザーの層が重要な要素となります。できるだけニッチな分野に特化したソーシャルメディアを使うことで、より多く、質の高いアクセスを集めることができます。

sphinnと似た仕組みのサイトにnewsingがありますが、インターネットマーケティングに関するテーマの記事を広めてもらうにはsphinnのほうが適しているというようなことです。

評判の確認・管理

ブランドがどうコミュニティで評価されているのかを知ることができます。

社名で検索したときに上位にネガティブな意見が出てくるときは、ポジティブな意見を増やしていくことで目立たなくすることができます。言及されている数が少ないと、たった1つのネガティブな意見でも目立ってしまうので、それを自然な形で目立たないようにするのが目的となります。

仮に1,000人中999人が満足していたとしても、不満に思った1人がインターネット上にそれを公開していて、他の999人が何も書いていなければ、その1人の意見が代表的なものとしてこれから購入の検討をする人に読まれてしまう可能性があります。ここは極端な例ですが、そうしたことを避けるために満足しているユーザーに積極的に動いてもらう仕組みを考えます。

ブランドの認知度を高める

運営しているサイトにトラフィックが集まらなくても、外部のサイトで閲覧してもらえればブランドの認知度は高まります。ブログやSNSで紹介してもらうことで連鎖的に露出が増えていきます。

バイラルを目的としてYouTubeに動画をアップするなどがよくある例です。

意見を集める

ユーザーとのコミュニケーションを通じて、多くの意見を集めることができます。自分が提供している商品・サービスに向けた意見だけではなく、競争相手への意見やその市場自体がどのように思われているかなどを把握できることもあります。

たとえばmixiで自分の商品・サービスに関連したコミュニティを見てみる、あるいは新しく作ってみるなどの方法があります。私もとあるテーマでコミュニティを作ったところ3,000人以上集まったのですが、参加している方々がどういうことに興味を持っているのかを知ることができるので参考になります。また、人数の増加率を見ることで、その分野への世の中の関心の移り変わりが多少把握できました。

商品やサービスへの理解度をあげる

どういう商品・サービスなのかを知ってもらうと同時に、ソーシャルメディアのユーザー間でやり取りしてもらうことで、質問やクレームの数を減らす効果が期待できます。

外部のソーシャルメディアを使う方法と、自分でサイト内に場を用意する方法があります。

検索エンジンでの順位を上げる

ブログやソーシャルブックマークなどで取り上げてもらう過程で、自然に質の高いリンクが集まっていくのでSEOにも効果があります。たとえばブログの1記事で数千を集めることもできるので、うまくいけばコツコツリンクを集めていくよりもずっと費用対効果が高いです。

また、運営しているサイトの順位が上がるだけでなく、検索結果にそのサイトについて言及しているソーシャルメディアが並ぶことで、そこからも誘導することができるようになります。

2.ターゲット選定

目的を決めたら次にターゲットを探します。

  • そもそもコンテンツ・商品・サービスに興味を持つのはどのような層か
  • 彼らはどんなソーシャルメディアを見ているか(ブログ、SNS、掲示板、比較・口コミサイト、ECサイト内のレビューなど)
  • それらのソーシャルメディアに積極的に参加していて影響力のあるユーザーはどのような層か

いきなり最終的なターゲットを対象として動くのではなく、まずはすでに商品やサービスを使ってくれているユーザーにアプローチして、最終的なターゲットへの露出を増やすために動いてもらうことなども考えられます。まだソーシャルメディアを使っていない層にアプローチしようとするときには、2ステップ必要になってしまうので注意してください。新規にソーシャルメディアを立ち上げるよりかは、既存のコミュニティを活用したほうがすぐに効果がでやすいと思います。

3.成果計測の指標と目標の設定

定量的な成果計測のための指標を決めて、目標を設定しましょう。
参考までに以下に指標をいくつか並べておきます。

  • トラフィック
  • 売上
  • 会員数
  • コメント・トラックバックの数
  • ソーシャルメディアでの閲覧回数
  • ブログで言及された数
  • RSS・メールマガジンの登録数
  • バックリンク数
  • 検索エンジンでの順位
  • ブランドで検索したときの検索エンジンでの表示件数
  • カスタマーサポートへの質問・クレームの数

いつまでのどの指標をどこまで増やす(あるいは減らす)のかを決めてください。計測の手間は増えますが、売上などの最終的な指標と、そこに到達するまでの中間的な指標をそれぞれ選ぶのがよいと思います。

終わりに

最初の企画の段階でいかにターゲットを選ぶかに成否が大きく左右されますので、じっくり時間をかけて考えてみてください。調査を通じてソーシャルメディア経由でアプローチできる規模感をつかんで、どう目標に落とし込むかも企画段階のポイントだと思います。

参考資料

Social Media and SEO: 5 Essential Steps to Success

Social Media Marketing Campaigns: How to Set Goals and Define Your Target Market

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