ネットショップのブログ集客戦術 その1
ECサイト(ネット通販ショップ)がブログで集客する方法を書きます。色んなやり方があると思いますけど、私たちが実践して結果が出て来ているものです。ひとつの例としてご参考にして頂けたらと思います。
ブログ集客の基本イメージ
今回の説明では、ブログをお店の日記として作られたり、特定のキーワードで上位表示を目指そうとされるものではありません。ブログは簡単に1ページの独立したコンテンツを生成できるシステム、別の例え方をするとチラシを1枚つくるイメージとしてください。
例えば「テレビ」を売りたいっていう漠然としたものではなく「SHARPのAQUOS」を売りたい、もっと深くすると「AQUOSのXシリーズのLC-52XS1」を売りたいチラシです。
「SHARP」や「AQUOS」で検索結果の上位表示をねらうのは難しいですが「AQUOSのLC-52XS1」ならば可能かも知れません。キーワードを考えてオリジナルコンテンツをひとつ作ることが、チラシ1枚と考えてみましょう。ひとつのチラシには商品をたくさん掲載せず、1枚のチラシに対してひとつの商品が基本になります。
ひとつの商品に対して内容の違う複数のチラシは「有り」ですが、1枚のチラシにたくさんの商品はのせないことが、ヒトにもロボットにもわかりやすさへつながります。
内部構造はもっと複雑ですが、ここでは簡単なイメージとしてECサイトとブログの接続、コンテンツの種類や数としてごらんください。
導線が1つでも増えることはお望みのはずです。入り口はお店のトップページだけではなく、チラシ(記)からも入って頂けるのです。
1日1枚書いて継続する
ブログでは記事1ページの力が小さくても、たくさん種類があることでチラシの枚数に比例してアクセス数は増えて行きます。はじめは1日1枚で継続することを目標にしてください。
単語や名前を意識
ECサイトでは、トップページやサブカテゴリー、商品ページを最適化して力を大きくし、SEOによる集客効果を見込みますが、ブログの記事では最初に書いた「XシリーズのLC-52XS1」のように小分類や固有の名前を意識することが大切です。
最適化の基礎知識は知っておく
タイトルの書き方や見出しの使い方、リンクの考え方など、参考になるWebサイトや書籍がたくさんありますので、SEOの基本は先に学んでください。途中から知ったのでは、それまでのチラシの効果が薄くなりもったいないです。
ただし、Web上では古い情報、想像や仮説が多くありますので注意しましょう。
商品説明の構成を考える
検索エンジンには「テキスト>画像>動画」が認識されやすいですが、人には「動画>画像>テキスト」のように順番が違うこともあります。
キーワード(SEO)を意識しすぎない
せっかく作ってアクセスして頂いても、文字ばかりの見づらいページになってしまうと、直帰率が高くなったり、すぐに捨てられてしまうチラシになるかも知れません。画像を使ったり行間や見出しで読みやすくしましょう。
導線はシンプルに考える
ページ(チラシ)を1枚つくるとお店のトップページやいろんな商品へリンクしたくなるものですけど、どこへ案内したいのかをよく考えて、ブログの構成やページ内のリンクをわかりやすくシンプルにしましょう。
レンタルカートの弱点をなくす
動画を掲載できなかったり、容量の制限、説明文のレイアウトが難しいこともあります。また、商品ページは簡潔に要点だけを説明されているかも知れません。もっとくわしい説明や、手にとって見ているような動画をブログに掲載することで購入率上昇が期待できます。
※楽天、Yahoo!ショッピングなど、外部へのリンクが禁止になっているシステムもありますのでご注意ください。
基本は「ヒトへ」の最適化
人にたいして最適化をしながらキーワードを意識できるようになれば、その商品を知りつくしたプロになれます。チラシの制作はオーナーさんではなく、従業員さんに書いて頂くと商品知識が深まり、お店への愛着や責任感も出てきます。
SEOは「検索エンジン>人間」ではなく「人間>=検索エンジン」です。人が読んで評価されるチラシになりますように。
アクセス元の属性の違い
相互リンクやブロ友機能、コメントなどで横のつながりを持つことも大切ですが、検索エンジンからとリンクからのアクセスの違いは「ブログやライターへの興味」と「商品やテーマへの興味」という違いがあります。
例えば、地元の時計屋さんが書いたブログは、その時計店や現場スタッフの方々が先になりますけど「アンティーク カルチェ 時計 修理」で来られたアクセスはカテゴリーが先なので「時計」をテーマにしたブログに何かを求めて読者になる可能性があり、販売や口コミにつながりやすいと言えます。
Googleは記事の内容をくわしくこまかく
Googleはブログの記事をページ単位で検索結果へ反映します。キーワードがよりスモールになるほど、タイトルだけではなく記事の内容も重要視されます。
同じカテゴリの記事どうしを関連づける(内部リンクする)ことで、より強いページにすることもできるので、内部リンクを網目のように関連づけると、普通に書いたチラシがより効果的になります。
ヒトにも検索ロボットにも、くわしくわかりやすく伝えてください。
Yahoo!はブログの評価が「まだ」低い
Yahoo!はGoogleと比較してブログへの評価が高くないため、スモールキーワードで集客することは難しくなっています。
4月8日前後のアップデートで多少評価は上がったみたいですけど、いつまた変更されるかはわかりません。Yahoo!の集客はECサイトをメインとして考えた方が良いですが、ブログの評価がもっと上がる可能性もあります。
Yahoo!は日本語の関連性を極端につなげていることも見られます。テーマがたくさんあると関連づけがされないコンテンツと見られますので、できるだけセグメント(区分、区別)を小さくした方が良いといえます。
正直なご商売が成功のもと
あるオーナーさんとお話をした時に「ビジネス(販売目的)でブログを書くのはイメージが良くないのでは?」というご質問を頂きましたが、そんなことはありません。
騙してクリックさせようとしたり、過度に広告ばかりのコンテンツは印象が悪くなりますけど「お店(企業)のブログ」ということを明確にして、商品内容をもっと詳しく伝えたいという目的が読者さんに見えるなら、そのブログはお店の正式な外部コンテンツ(サテライトサイト)になります。
最初に「お店の日記」と書きましたが、実店舗をお持ちの場合、店長さんや奥様、従業員さんがお店での出来事を写真入りで伝えたり、イベントやセールの準備風景を動画で見せたりすると、店舗周辺の顧客を囲い込むこともできます。
キーワードだけではなく、お店や商品、そこではたらいている人の魅力を発信できれば、そのチラシは口コミとして広まって、バイラル効果を体感するきっかけにもなれます。
ブログ集客「戦術」はECサイト運営「戦略」の一部
「戦術」としたのは手法のひとつで、ブログだけで集客することが目的ではないからです。例えば今回「チラシ」とした記事のコメントやトラックバックの機能をあえて無効にして「私たちへのメッセージはぜひTwitterで!」という導線を引けば、よりコミュニケーションをとりやすいTwitter戦術へリンクできます。
SEOも同じで、マーケティングの中のWebマーケティングの中にあるサーチエンジンマーケティングの一部として、検索エンジン最適化という戦術があります。
今回はSEOを取り入れたブログの考え方でしたが、このブログへPPC(クリック課金広告)戦術をリンクさせても良いと思います。ランディングページとしてはコンバージョンへ遠くなりますが、商品ページよりも自由度が高いため入札の品質スコアも調整しやすく、ファンになって頂ける自信があるならリピーター獲得戦略の一部にもなるのです。
タイトルに「その1」とつけましたけど、後は戦術の組み合わせや改良でたくさんのオリジナル「その2」3,4,5を作ることができます。ブログ=日記と固定して考えず、オリジナルチラシ簡単作成ツールと考えてみてください。
スモールキーワード以外の集客数を見込むときは、前回のエントリーをご参考頂けたらと思います。
<関連リンク>
- SEO効果は100で割ってみる集客数の見積もり方法(執筆者:藤井 秋恵)
<参考サイト>
- SEOを意識した記事は、こう書く » 海外SEO情報ブログ・メルマガ
キーワードの関連性(LSI:Latent Semantic Index)について。私たちがブログ集客を行うときのもとになった情報です。1年以上前のエントリーですが、もちろん今でも有効です。 - スモールキーワードを意識した文章はこう書く – SEO対策の薬箱
LSIを実践するにはどう書くべきかをくわしく解説しました。SEOがコンテンツ作成の基礎知識とわかった時がスタートとも言えます。 - 「毎日300人以上集客するブログ」キーワード分析 – SEO対策の薬箱
LSI(スモールキーワードの関連性)を実践している第3回目の公開データ。最後にでてくる「アフィリエイト」は「ECサイト」と置きかえて頂けると導線がわかりやすいと思います。 - ブログをゼロからやり直せるなら at ブログヘラルド
集客に成功したWebマスターが反省する5つの項目です。口コミはとても重要ですけど、SEOを知っておくことの重要性を書かれています。
<おすすめの書籍>
- Amazon.co.jp: 検索にガンガンヒットさせるSEOの教科書: 渡辺 隆広: 本
SEOの基本を学ぶために最適です。新しい情報はWebからの収集になりますけど基本はこの1冊でわかります。