SEO効果は100で割ってみる集客数の見積もり方法
「SEOは上位表示」という考え方のひとつより、どのくらいの効果があるのかを試算してみます。先に前置きますが、上位表示は集客のさらにひとつ手前ということをお忘れなく。(クリックされなければ意味がありません)
100で割る数値は月間検索数を元にします。これを調べるには”Google AdWords キーワードツール“が無料で使いやすいので、今回はGoogleの月間検索ボリュームから試算してみます。
キーワードの月間検索数を「100」で割ってみる
たとえば「時計」をキーワードツール”で検索すると、平均検索ボリュームは約224万回となっていました。これを100で割った数値を1日あたりの集客(アクセス)数として見込むというものです。
日数の平均をもっと正確にするなら閏年を入れて約30.44日になりますが、クリック率の精度が低いため日数に精度をもとめる意味はありません。
「時計」というキーワードでの1日あたりのアクセス数は約22,400回でしたが、実は「30%」の根拠はありません。これは検索ユーザーの思考や目的、キーワードのトレンドなど様々な要因で変化するためです。
今回は計算し易いように、あくまで指標として「30%の時は100で割る」としましたが、クリック率を変えると下記のようになります。
- 検索結果のクリック率より1日の集客数を想定
- 50%・・・ 60で割る
- 38%・・・ 80で割る
- 30%・・・100で割る
- 21%・・・140で割る
- 15%・・・200で割る
かんたんなので「100で割ってみる(30%)」をしてみてください。140で割りたい場合は、2で割って7で割って10で割るっていう感じに分けると暗算がしやすくなります。
これは検索結果1位のクリック率を想定していますけど「時計」の1位は現実的ではありませんので、次にコンバージョン(購入)を目的とした計算をしてみます。
コンバージョン重視の1日あたりの集客数は?
購入につながりそうなキーワード「時計 販売」を100で割る計算をすると、月間平均検索ボリュームは14,800回だったので1日あたりの集客数は148。
高単価な商品では一点だけのお買い物になりやすいので、コンバージョン率を1%とし、平均単価が1万円で利益率が30%とした場合、1日あたり4,440円の営業利益になりますので、ひと月で133,200円という見込みです。
次に1クリックあたりの予算を計算してみます。
PPCとSEO業者を使って集客するための予算設定は?
上の例では1日4,440円の利益にたいして148人なので、1クリックあたりの上限費は30円になります。これを超えると赤字になるのですが、実際にGoogleAdWordsやOvertureなどのPPCでクリックを求めようとすると、30円以上の入札単価になります。
SEO対策業者へ毎月6万円支払って「時計 販売」で仮に1位になれたとしても、1日あたり2,000円の維持費がかかります。また、「上位表示」という言葉の意味は10位や20位以内で報酬設定をしていることが多くあるため、クリック率は30%ではなく、20%よりもっと下だったり数%になるかも知れません。
2006年のAOL(海外のデータ)では、1位と2位以下でのクリック率は大きく開いています。実際にご自身が検索してクリックされる時も、まずは1位そして2位以下を見られることと思います。
[参考:検索順位とクリック数の関係-米AOLの検索行動データより :: SEM R]
アクセス数から求める本当のSEO効果
「SEOは上位表示」も考え方のひとつですが、もう1つ掘り下げて「キーワードのアクセス数から検索の効果を知ること」がビジネスでのSEOです。
「時計 販売」の例で、1位に固定表示されて1日平均100人のアクセスがあったとしたら月間検索数で割ってみるとクリック率は約20%です。もちろん1位の固定表示は無理がありますし、これは指標なので計算できなくても問題ありません。
費用対効果からSEO効果を測る
利益を求める戦略のひとつとしてのSEO戦術でなければいけませんので、ROIを求めることは必須です。業者の見積もりに対しても必ず逆算してください。
- SEO対策業者へ毎月6万円支払い
- 1ヶ月の集客数3,000件
- コンバージョン率1%
- 平均単価1万円
- 利益率30%
この例で計算すると、
- CPC[1クリック費用]・・・10円
- CPA[1顧客の獲得単価]・・・1,000円(1成約につき1,000円の費用)
- ROAS[業者費用対効果]・・・5(業者への支払1円あたり500円の売上)
- ROI[費用対効果]・・・1.5(9万円の営業利益に対して6万円の費用)
とても有効な手段に見えますが、これは私が設定した数値の例なので、実際の金額や利益額などをあてはめて計算されてください。ポイントは、商品の利益がけずられることと、それにかかる営業利益以外(販売管理費)まで試算されることです。経営全体のバランスや予算も大切ですが、現場レベルの視点で見られることも重要です。
逆算でキーワードの価格を見積もる
Google Analytics へログインして、マイレポートからトラフィック>キーワードをクリックして目的のキーワードを検索します。Analyticsは通常過去30日のデータが表示されるので期間は変えなくて大丈夫です。
業者に支払っている金額÷セッション数で、1クリックあたりの単価が計算できます。さらに画面の右上にある「アドバンスセグメント」より新規ユーザーにチェックを入れると、1人あたりの単価も計算できます。だれが何回クリックしたのかまではわかりませんので、この場合は1人あたりの単価にしましょう。
オンラインの利益総額を全体のアクセス数(新規ユーザー)で割って1コンバージョンあたりの利益額を出します。1コンバージョンの利益額×キーワードの新規ユーザー数より業者への支払い(キーワード費用)が高ければ、見直しを検討された方が良いかも知れません。
検討する理由は、アクセスして頂けることで利益だけではなくブランディングやブックマークされるなど、知名度やバイラル効果、リピートなどが見込めるためです。
キーワードを売りにしないSEO業者もいる
前回のエントリー(リンク販売業者に聞きたい5つの項目)でリンク販売はダメと書きましたが、Googleの規約に違反しているだけでなく費用対効果が良くないかも知れないということです。キーワード1つに対してどのくらいの価値があるのかも考えてみてください。
私もSEOに関わる一業者ですけど、具体的なキーワードだけの提案はしていません。キーワードはクライアントさんと相談して、どんなテーマ(カテゴリー)を中心に集客されたいのかを一緒に考えて増やしていくものと考えているからです。何が正しいということではなくて、会社の利益と方針に合っているかを判断することが重要なのです。
SEO=上位表示ではなく、SEO>上位表示です。積み重ねと時間で効果が出てくるものなので、短期間で結果が出る方法は短期間で結果が出なくなるかも知れません。
なお、タイトルの「100で割る」の100をキーワードによって割りやすい数値に変えてみてください。種類や組み合わせの違いが体感できるようになると、月間検索数からだいたいのアクセス数が見えるようになってきます。
※「Google Analytics」のデータは高精度ですが100%ではありません
※「キーワードツール」の数値はGoogleでのおおよその月間検索ボリュームです
※このエントリーは他業者さんを否定したり批判するものではなく、業者えらびの判断材料のひとつとして頂けたらと思います
<関連リンク>
- ミドル、スモールキーワードの方がビッグキーワードよりも魅力的な理由(執筆者:SSB)
<参考になるサイト>
- SEO成果の正しい測り方|αSEO(アルファSEO)
キーワードだけではなく、もっと大きい見方でSEO効果(成果)を測る方法です。私も実務でやっています。 - 顧客獲得単価(CPA)、広告費用対効果(ROAS)とは – みんなのパナマ
聞き慣れないかもしれないCPAとROASのわかりやすい解説。オーバーチュアのブログです。 - Google Analytics(グーグル・アナリティクス)
Googleのアクセス解析です。無料なのにとても高機能です。導入されていなかったら今すぐ入れられることをおすすめします。 - Google AdWords : 御見積計算ツール
Google AdWrodsの入札単価見積もりツールです。100で割る計算以外に、PPC広告の単価も見られることをおすすめします。 - ブログ集客戦術「城壁SEOとファイアーワークス」 – SEO対策の薬箱
スモールキーワードでのSEOとバイラル効果のあったブログのデータを公開しています。(私の個人ブログです)
- カテゴリ:Google,SEM/SEO 全般タグ: SEO, 業者, 費用対効果