パーソナライズド検索時代のSEO

公開日:2010/4/14
執筆者:渡辺 友太

同じキーワードで検索していても、自分の見ている検索結果と他人が見ている検索結果が同じとは限りません。

場所や時間、ブラウザ及び端末等の環境情報や、検索パターンや閲覧サイト、興味・関心等の過去の履歴から得られる情報によって、検索結果は個々にカスタマイズされます。

もちろん現在でもパーソナライズド検索は行われていますが、今後はパーソナライズする際に用いられる属性や情報が増え、個々の検索結果の差異も大きくなっていくと思います。

今回はこのパーソナライズド検索時代のSEOについて考えてみます。

検索結果に含まれる情報はさらに多様化

検索結果にはWebサイトだけでなく、地図や画像・動画、商品情報や店舗情報等も現れることはもうご存知だと思います。

いわゆるユニバーサル検索です。しかし、検索結果1ページに含まれる検索結果を見ると、やはりWebサイトの割合が多いのが現状です。Webサイトの検索結果10件に対して、地図・店舗情報・画像のように、多くても3種類程度のWebサイト以外の情報が含まれることが多いのではないでしょうか。

しかし、検索結果のパーソナライズド度合が大きくなるにつれて、Webサイト以外の情報の割合が検索結果の中で大きくなると考えられます。

いつ地図が必要なのか、どんな人が動画を求めているのか、どの時間帯なら店舗情報が欲しいのか。
パーソナライズド検索による個々の検索結果の差異は、Webサイト結果の順位変動のみならず、ユニバーサル検索の内容の中にも大きく現れてくると思います。
パーソナライズド検索時代のSEOでは、Webサイトだけでなくその他様々な形式のコンテンツについての対策の必要度合いがより高くなると考えられます。

様々な用途の検索エンジンが進化

検索エンジンというと、GoogleやYahoo!、Bingなどの一般的なWebサイト検索エンジンが思い浮かびます。

現在行われている”検索”と呼ばれる行為は、これらのサイトから行われているものがほとんどでしょう。

しかし、Webに存在する情報が爆発的に増えた昨今では、目的のWebサイトにたどり着くための検索だけではなく、あるWebサイト内で目的の情報にたどり着くための検索が必要となってきています。

また、特定のジャンルや情報の種類に特化した検索エンジンが必要となる場面も出てきています(たとえばTwitterのリアルタイム検索等)。

今後は各Webサイトが独自に(CMSやオープンソースを利用している場合も含む)提供している検索エンジンの精度や機能が進化し、検索結果もパーソナライズされていくと考えられます。

このように多くの検索エンジンの利便性が向上し利用機会が増えることで、ユーザが使用する検索エンジンも多種多様化していきます。

したがって、検索エンジンについて考える時はYahoo!やGoogle、Bingだけでなく、その他様々な用途向けの検索エンジンについても考える必要が出てきます。

SERPability

以上、来るパーソナライズド検索時代に向けて思いを巡らせてみました。

結論として、パーソナライズド検索時代のSEOでは、どれだけ検索エンジンに対して、特に検索結果への表示を意識してWebサイトやコンテンツを提供できているかというような、検索結果への適応能力を意識していく必要があると感じています。

そこで、この適応能力をSERPability(検索結果適用能力)と呼ぶことにします。

SERPabilityを測る評価項目としては、以下のようなものが挙げられます。

  • Googleのリッチスニペット、Yahoo!検索プラグイン等、
    個々の検索エンジンの結果フォーマットに対応しているか
    (参考:「リッチスニペット(構造化データ)の表示方法(前編)|Sphinn Japan Blog」)
  • 検索エンジンの結果に表示されうる、様々な形式のコンテンツが提供されているか
  • 検索結果に表示されうる、検索エンジンの数
    (コンテンツを様々なサイトに提供しているか)

もちろん、検索結果に表れるタイトルや文章を工夫するSERP最適化も必要ですが、もっと大きな視点でみると、そもそも、どれだけ多くの検索エンジン、検索結果に対してWebサイトや提供コンテンツが対応しているのかというSERPablityを意識する必要があります。来るパーソナライズド検索時代に向けて、一度SERPabilityについて検証してみてはいかがでしょうか。

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