SEOの成功と売上アップは正比例しない

公開日:2008/10/12
執筆者:中嶋 茂夫

はじめまして。

Sphinn Japanのブログエディタ、中嶋茂夫(cj中嶋)です。

私は、個人アフィリエイター、ネットショップから東証一部上場企業や組合関連まで、SEOを中心としたインターネットによる集客と利益アップのためのコンサルティングをしています。

主な著書には、「無料ブログSEOバイブル(翔泳社)」「ポッドキャストでガンガン稼ぐ!(中経出版)」など、連載や特集記事の寄稿に季刊専門誌「SEO SEM Technnique(翔泳社)」などがあります。

今回は第1回目の投稿でもありますので自己紹介を兼ねて、私自身が考えるインターネット関連ビジネスにおけるSEOの役割を今までのコンサルティング事例を元に述べたいと思います。

ネットショップやアフィリエイターなどインターネットビジネスに関わりのある方が「SEOという言葉」から連想することを挙げてもらうと、例えば、「検索順位を上げて売上アップにつなげる」「素人ではなかなか思うように結果がでない」「SEOができれば儲かる」というようなイメージがあることがわかりました。

この結果から、私は、SEOという言葉から連想される一般的なイメージは「売上アップ」と「難しい」という2つの言葉に凝縮できると考えています。

つまり、「SEOは売上を上げるための施策である」という認識の方が多いということです。

しかし、この認識は売上アップの戦略に対して非常に大切なことを見逃してしまっていることになってしまっています。なぜなら、SEOと売上アップは多少の関連性はあるかもしれませんが、完全に正比例するものではないからです。

私にコンサルティング依頼の相談に来られる会社の多くが、集客や売上アップを達成するために上位表示を狙うべき検索語に関して、業者にSEOの依頼をしたり、自社でSEOを実践している状況にも関わらず、実際にはなかなか売上アップまでの結果が出ていません。

つまり、「SEOの成功と売上アップは正比例しない」状態なのです。
考えている以上にこのような会社が多いのです。

そして私はこのような「SEOに関する誤ったイメージ」が今以上に蔓延することを心配しています。

その理由は、心ないSEO業者やWeb制作会社が、中小の企業や個人のネットショップを狙いうちして、SEOをうたって、利益アップにつながる効果があるのかわからないような有料サービスの営業を電話で勧誘する例が増えているからです。

このような営業電話で騙されていることにも気付かずに契約をしている会社もあるのです。

「SEOをすれば儲かる」という間違った認識が広がっていく様子は1990年後半の「ホームページを持てば儲かる」「ネットショップを開設すれば物が売れる」という考え方が広がった状況と似ています。

「SEOをすれば、作ったホームページが蘇る!」みたいな間違った勧誘をしている業者もあるのも事実なのです。
(私の会社はNTT発行の電話帳(タウンページ)では、「ベビー・マタニティー用品」と表示されます。ですからこのようなSEO業者、Web制作会社から毎日のように営業電話がかかってくるのでこのような状況がわかるのです)

以上から、「SEOとは何か?」と考えた場合、結局のところ「検索サービスで上位表示するための施策」としか説明できないことを再確認していただけたと思います。

では、SEOをしても売上に関係ないのか?というとそうではなく、「SEO」と「売上アップ」の「パイプ役」になる「媒体」があれば、SEOでの売上アップは可能になることに注目してください。

その「パイプ役」の説明がないがしろになっているので、SEOという言葉そのものの意味に誤解が生じてくるのです。

では、「SEO」と「売上アップ」の「パイプ役」にはどんなものがあるか考えてみましょう。「パイプ役」とは、SEOによる検索結果の上位表示と売上アップを結びつける「媒体」です。例えば、

  • 需要のある検索語の調査
  • 成約率の高い検索語の調査
  • 行きたい情報にすぐにたどり着けるサイト構成
  • 検索語と検索結果に表示されたページのマッチング
  • 見込み客リストを取る仕組み
  • 購入者リストを取る仕組み
  • リストへの営業フォローの仕組み

などになります。

ここに挙げた例は「パイプ役になる媒体」のごくごく一部ですが、わかりやすい例として挙げてみました。

つまり、このような「パイプ役」をいくつも効果的にネット上、サイト上に配置することによって「SEOによる売上アップ」が可能になることを理解してください。

そして、この点を理解していないとSEOだけが空回りしてしまうことになり、売上アップになかなか結びつかない結果になってしまうことも理解して欲しいのです。

以上から、私自身が考えるSEOの役割とは、あくまで「検索サービスの検索結果で上位表示を狙うこと」でしかないということになり、SEOを元に集客アップや成約アップまで考えるには、SEOと売上アップに関わる「パイプ役になる媒体」を吟味し、できるだけ多く配置することが大切であるということになります。

読者の皆さんも、SEOという言葉だけに惑わされるのではなく、ネットビジネスにおいて、集客を増やし、売上をアップし、利益をアップするためには、SEOはほんの一つの役割にすぎず、その他の売上アップのための仕組みを充実する事無しに、売上アップ達成は不可能であることということを頭の片隅にでも常に置いておいていただければと思います。

第1回目の投稿ということで、できるだけ平易なテーマを取り上げてみました。

Sphinn JapanがSEOを専門に取り扱う方のみならず、SEOに興味のある会社の方、一般の方にも多いに利用されるような媒体に成長していくことを期待しています!

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この記事へのコメント

2 Comments »
    Comment by 餅田 雅子
    2008/10/14@11:59 PM

    cj中嶋さん、大変理解しやすい解説を有難うございます。文字で読むとあらためてうなずける部分がたくさんあります。cjさんのセミナーではいつも、ご自分で検証し経験されたことを中心にリアリティのある内容で大変学ばせていただいております。今回のSphinn Japanでの参加メンバーとして、執筆されるのですね。今後がとっても楽しみです。

    Comment by 中嶋茂夫
    2008/10/15@5:12 PM

    餅田さん、コメントありがとうございます!SEOというのは、まだまだ一般的でなく、何となくわかっていてもそれを着実に実践し売上に活かせる方はまだまだ少ないです。
    その理由がこの記事に挙げた「SEOに対する誤解」です。
    SEOを効果的に利用する方法を中心に記事を執筆したいと考えています。今後ともよろしくお願いします。

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