日本ではグーグルよりもヤフー!?

公開日:2008/11/12
執筆者:竹内 潤平

世界の検索エンジン市場において、Googleの勢力がYahooの勢力を追い抜いてから数年経ちますが、日本ではいまだにヤフーの勢力が強い状態です。

日本においても近いうちにGoogleがヤフーを抜き、ヤフーが衰退していくのではないかと言われていますが、いまだその兆候は見られません。

検索シェアではなく各検索エンジンからの流入数や個人的な感覚だと、1、2年前と何ら変わることなく、「 ヤフー > Google 」という図式のように感じます。

下図のうち、上の3つが業種の異なるサイト3か月間のYahoo、Google経由のアクセス数で、4つ目が私が管理しているSEO対策サイトのアクセス数です。(広告経由のユーザーは含まれておらず、単純に検索ユーザー数のみのデータです)

比較として1年ほど前のおなじく3カ月分のデータも載せておきました。それぞれの値は大きく異なりますので、GoogelとYahooの割合をご覧ください。

※クリックで大きな画像で確認できます。

図を見ても分かるとおり、取り扱う業種によってYahoo、Googleの割合は異なりますし、それぞれのサイトの検索エンジンごとのインデックス数や順位によってもアクセス数は大きく変わります。

また、独自ドメインブログを導入しているサイトの場合もこの割合は大きく変わってきますし、これを元にGoogleよりもヤフーの利用者の方が多いとは言い切れません。そもそもこのデータだけではサンプル数が少なすぎます。

しかし、1、2年ほど前に良く言われていた「Googleがヤフーを追い抜き、突き放していく」といった状況にはなっていないように思いますし、今後も日本においては外的要因による大きな変化が起こらない限り、大きくシェアが変わることは無いように感じます。

確かにGoogleは優れた検索エンジンですし、私が検索として利用する場合にはほぼ100% Googleを使っていますが、それでもブラウザのホームページはヤフーです。

Googleに比べ非常に重いヤフーのトップページですが、「ニュース・天気・テレビ番組表」などへのリンクがあるという便利さから、結局はヤフー+Googleツールバーになってしまっています。周りを見てもYahoo!をホームページに設定している人は非常に多いです。

普段Googleに接する機会が多い立場の人たちが、ヤフーを利用しているのですから、普段Googleに触れる機会の少ない人たちが多い日本において、Googleがシェアを大幅に拡大することは難しいのかもしれません。

これは中国や韓国においても同じ事が言え、世界の検索エンジンシェアとそれぞれの国の検索エンジンシェアが同調するとは限らないのが現実です。

[調査] 日本の検索エンジンシェア 2008年4月 – ニールセン・オンライン調べ-SEMリサーチ

※アクセス解析にはGoogle Analyticsを使用しています。

Yahoo!、Googleどちらも重要

私が普段接する方の中には、ヤフーの順位のみを気にかけている人が多く、そういった方に検索順位アップのみを目的としたSEOでは成果が上がりにくくなっている事を理解して頂くことは非常に難儀なことなのですが、ヤフー利用者が多いからと言って完全にヤフー向けのサイトにして良いという事ではありません。

ヤフーのしかも単一キーワードのみに絞ったSEOをしている方もいるようですが、これではYSTのアルゴリズム更新や何かしらの大きな変化があった際にアクセス数が一気にゼロに近くなる事も考えられます。

ロングテールキーワードからの流入により、日々のアクセス数が安定するように、Google・ヤフー双方からのアクセスを確保する対策をしておくことで、どちらかの順位が大幅に下がった時のリスクヘッジとなります。

どちらからのシェアが10%を切るような状況であれば、どちらかに偏った対策をする事でより成果を上げることも可能でしょうが、現在の日本においてはどちらの検索エンジンも無視できない状態と言えます。

Googleでは上位表示を達成しているのにヤフーの順位が上がらない場合、「そのうちGoogleがシェアを拡大するからこのままで良いや」と放置せずに、現在の状況も受け止める必要があります。

今後逆にヤフーの勢力が増大しないとも言い切れないのですから。

この記事が良かったと思ったらSphinn Japanへ投稿/投票お願いします。

この記事へのコメント

12 Comments »
    Comment by sugane
    2008/11/12@9:20 AM

    GoogleとYahoo!のアメリカと日本の人気の差って、それぞれの国の好みの差をあらわしている気がします。

    アメリカ人と比較して思うのは、一般的に日本人って、モノをコンパクトにしたりするのが得意ですが、デザインや機能性も非常に重視するので、あまりにもシンプルすぎると物足りなく感じてしまうのではないかと感じることがあります。

    文房具を比べるとよくわかります。日本って、ノート一つ、手帳一つとってもいろんなデザインや、いろんな機能のものがあって、なにより文房具やさんってものが存在します。アメリカっていわゆる文房具屋さんってないんですよね。学生もみんな大型スーパーにおいてある、日本のオフィスで使うような簡素なデザインのものを使うんですね。

    だから、Googleのシンプルさはアメリカ人にはうけても、日本人には物足りないのではないかと思います。(最近はちょこっとだけ日本のGoogleもインターフェース変えましたけどね。)

    あと、日本人はブランドを結構気にしますが、アメリカ人はあまり気にしないですね。

    車で言うと、アメリカではKiaやヒュンダイが成功してるけど、日本では絶対成功しない気がします。

    Yahoo!は日本で早くからソフトバンクと一緒にブランドを確立してますが、Googleはブランディングでちょっと遅れていますね。

    なのでGoogleがヤフーを超えるには、ブランディングを一生懸命やって、そして、日本人が満足するような多機能化をする、それに合わせてデザイン(インターフェース)もこったものにする、というように結構な改善が必要に思えます。

    ですので、しばらくはGoogleの躍進を期待せずに、ヤフー対策もしっかりやろうと思います。かといって、ヤフー重視も危険ですけどね。

    Comment by 竹内潤平
    2008/11/12@9:39 AM

    仰るように、国民性による部分が大きいですよね。
    先日ニュースサイトでも取り上げられた家電に関する記事もそれを如実に表わしている気がします。

    米国に住んでいて「あー日本の家電はこっちじゃ売れないよなあ」と思ってしまう理由
    http://yoosee.net/d/archives/2008/11/10/002.html

    外資系スーパーが日本で受け入れられなかったのもこの辺が影響しているんでしょうね。

    >Yahoo!は日本で早くからソフトバンクと一緒にブランドを確立してますが、Googleはブランディングでちょっと遅れていますね。

    確かにそれもありますね。日本時はブランドが大好きですからね。

    Googleの今後に期待していますが、世界中の検索エンジンシェアのほとんどをGoogleが占めるようになると、Googleのやりたい放題になってしまいそれそれで問題だと思いますので、Yahoo!にも頑張って欲しいものです。

    Comment by kitakaze
    2008/11/12@2:09 PM

    どちらの検索エンジンに対するSEOを重視するとか、両方に対応するとか以前の問題として、いまだに「インターネットとは、つまり【やふう】のことだろう?」くらいに思っている人がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。これもつまりはYahoo!のブランド力ということなのでしょうね。

    Comment by 竹内 潤平
    2008/11/12@2:27 PM

    パソコン=Windows、ブラウザ=IEほどではありませんが、ネット=ヤフーと考えている方は多いですよね。

    Comment by コウタロウ@水戸
    2008/11/12@5:38 PM

    私のまわりを見渡してみても、

    パソコン=Windows
    ブラウザ=IE
    ネット=ヤフー

    がかなり成り立っています。。

    Comment by 竹内潤平
    2008/11/12@5:49 PM

    このあたりの式が崩れる可能性はかなり低そうですね。

    Comment by kyp
    2008/11/12@9:01 PM

    自分のサイトでは、Yahoo:Google:MSの流入比率が4:3:3くらいで推移しています。
    たまに、Googleが突出することがありますが、だいたい上の数字で落ち着いています。
    Yahooカテゴリには登録されていませんが、Yahooからの流入が一番コンスタントに安定しているようです。

    Comment by 竹内 潤平
    2008/11/12@9:11 PM

    >Kypさん

    コメントありがとうございます。

    3つの検索エンジンのバランスがちょうど良く取れているのはすばらしいですね。

    個人的には、今まで管理したサイトでMSNが10%を超えた記憶がありません。
    MSNが3割というのはかなり特殊なケースかもしれませんね。

    Comment by kyp
    2008/11/12@10:07 PM

    すみません。
    略して書いてしまいましたが、MSは、MSNとLiveSearchのトータルで見ています。

    Comment by kyp
    2008/11/14@6:41 AM

    上記のようなことを書いてたところ、昨日の夕方くらいからGoogleからの流入が倍増しました。
    なにかインデックス更新等の動きがあったのでしょうか?
    自分のサイトの場合、いつもこういう急増は長続きはしませんが。。。

    Comment by 竹内 潤平
    2008/11/14@6:53 AM

    >kypさん
    私の数値もMSNとLiveSearchのトータルです。

    GoogleはYSTと異なり定期的なインデックス更新が無いので、常に順位変動する可能性があります。サイト規模によってはアクセス数の倍増・急増は頻繁に起こるのかもしれません。

    Comment by kyp
    2008/12/3@11:01 PM

    先日のYahooインデックス更新以来、YahooとMSの逆転状態が続いています。
    あまりいい状況ではないのですが、特にサイトに手を入れる気はないので、次のインデックス更新まで、じっと我慢です。
    次回更新でまた戻るとも限りませんが。

Leave a comment