「PageRankはどうすれば上げることができますか?」必要ありません
「今年に入って頻繁に相談されたことベスト3」の2つ目です。
「PageRankはどうやったら上げることができますか?」
最近は皆さん飽きてきたのか、PageRankが話題に上ることはそれほどないのですが、それでも、やはり「PageRankあがらないんですよねぇ」という相談を受けます。
先に結論を言うと、(検索会社であるGoogle以外にとって)PageRankは意味がありません。より正確にいえば「私たちが目にできる、ツールバー上のPageRankのデータに意味はありません」。
以下、PageRankが使えない理由について述べようと思ったのですが、先に鈴木謙一さんの「STOP PageRank! ~ Google PageRankを信用してはいけない6つの理由」で、私がこれから述べようと思っていたことを触れてしまいました。私も鈴木さんやこの記事で引用されているVanessa Fox氏の意見に賛成なのですが、ここでは私の経験などを補足しながら、改めて説明していきたいと思います。
「見えないPageRank」
PageRankといっても、私たちが確認可能なGoogleツールバー上に緑色のバーで表示されるPageRankと、Googleが内部で持つ本当のPageRank(Real PageRank)があります。データに意味がないと言ったのは、前者のツールバーに現れるPageRankのことです。
ツールバーのPageRankは、各々のページが10段階の対数目盛上のどこに位置するかしか表していません。鈴木さんの記事で説明されている通り、同じ「(ツールバーの数値が3」であっても、実際の評価は異なります。それを知る術が私たちにない以上、ツールバーの数値を見る意味がありません。
PageRankが意味のない理由
鈴木さんの記事から抜粋すると次の6つになります。
1.更新が頻繁でない
2.正確ではない
3.簡単に策略される
4.リンク構築精通者の強み
5.ツールバーの数字は不明瞭
6.PageRankは必ずしもランキングと関連性はない
かつて1ヶ月に1度、インデックス更新と同時に更新された(ツールバーの)PageRankは現在は年に数回しか更新されません。Google内部のPageRankはもっと短い期間(2週間程度?)で更新されていると言われますが、ツールバーのデータが現時点のものを現しているわけでなく、従って参考にできないわけです。
それ以外の理由は鈴木さんの元記事を参照いただくとして、最後の6番目について補足します。
色々なクライアントとのやり取りを通じて様々な実験・検証を行っているのですが、たとえば検索結果1~20位までのサイトのPageRank平均が3.5以上のキーワードにおいて、PageRank 1しか持たないサイトでも基本的な最適化を行うことで上位3位以内に入るケースが数多く確認されています。さすがに人材系や金融系の激戦キーワードでは無理ですが、それらを除けば、ツールバーのPageRankが表す数値がそのままランキングに反映されるケースは最近はあまりありません。QDF(query deserves freshness)のように検索数の増減なども考慮してランキングを決定したりと、ユーザーの検索意図(インテンション)により適した検索結果を提示しようとする仕組みなども作用しますので、なおさら”PageRank”が関係なくなってきています。
確かに、PageRankの優劣が順位に大きく影響している時期はありました。しかし、それは2000~2003年ごろのお話です。今は2008年、時代は変わっているのです。
「成果の目標」としてのPageRankは否定しないけれど
とはいえ、SEOを行うのであれば、自分が行った成果を測る指標として何かが欲しい、という気持ちもわかります。企業の担当者の方の中には「SEOをやった結果の成果を(SEOが全く理解できない)上司にわかりやすく説明したい」というニーズがあることも事実で、PageRankというのはとっても説明がしやすいツールでもあります。また、自分自身でSEOをされている方なら、たとえ意味がなくてもツールバーが示すPageRankが高ければうれしいものでしょう(私もやっぱりうれしいです :) )。
少なくとも、それなりにリンク構築を行えばPageRankは上がるはずですので、そういった意味で成果の指標として用いることは否定しません。ただ、それがランキングとは無関係である、ということも覚えておいて下さい。
次回の「今年に入って頻繁に相談されたことベスト3」の最後は重複コンテンツについてです。