検索エンジンのアルゴリズムを自分で調べてみよう(後編)。

公開日:2009/10/19
執筆者:世良 裕之

今回は前回の記事「検索エンジンのアルゴリズムを自分で調べてみよう(前編)」の続きです。
実際に検証サイトでの実験方法や結果などもあわせて、より具体的なお話を書きたいと思いますが、その前に前回の記事公開後に、
「カスタム検索のアルゴリズムは一般の検索のアルゴリズムと同じなのか?」
という質問が何件かありましたのでそこからお話します。

カスタム検索のアルゴリズムは一般の検索のアルゴリズムと同じか?

以前「Yahoo!検索 カスタムサーチヘルプ」には、同じアルゴリズムを利用しているとの記述があったのですが、いつのまにか消されてしまっているようです。
しかし、確認をすることは簡単です。
まず特定のキーワードにてYahoo!(またはGoogle)での検索結果を表示します。
検索結果の1位から30位までのサイトをカスタム検索に登録します。(Yahooのカスタム検索では30サイトまでしか登録できません)
カスタム検索にて、先ほどの特定のキーワードで検索します。
通常の検索結果とカスタム検索での検索結果が一致しているかを確認します。
カスタム検索のアルゴリズムが一般の検索のアルゴリズムと同じならば、検索結果も同じものになるはずです。
カスタム検索では、同一ドメインからの検索結果表示件数には制限がないため、同一ドメインから複数ページ検索結果に表示される場合がある事などを差し引けば、検索結果が同じであることが確認できます。

「タイトル< title>」タグ内のキワード配置

それでは、アルゴリズム検証の具体例の1つとして「タイトル< title>」タグ内のキワード配置について説明します。
まず特定のキワード(ここでは仮に「電話」とします)にて、titleタグ内での配置位置、数などをいろいろと変えた複数のページを準備します。
今回はtitleタグの検証ですので、ページのテキスト内容等、titleタグ内の記述以外はすべて同じものにしておきます。
テストサイトのindex.htmlから、これらの検証用の複数のページにリンクを張り、外部サイトからindex.htmlへリンクを張ります。
アルゴリズムを調べる
これは、前編にて書きましたがGoogleにはカスタム検索用にインデックスをさせる「オンデマンド インデックス登録」という機能がありますが、Yahooには該当する機能がないため、リンクを通じてクローラを呼び込み、検証サイトをインデックしてもらわないといけないためです。
(Google「オンデマンド インデックス登録」に関して前編の補足を行なっておきます。
「オンデマンド インデックス登録」はインデックスされていないページを新規に登録させるものです。すでにインデックスされているページに修正を加えた場合、インデックス内容を更新しようと「オンデマンド インデックス登録」を利用しても更新されません。検証サイトページでインデックスされたページの修正を行なった場合は、ファイル名を変更して、新規に登録すれば5分程で反映されます)

最後にカスタム検索にて、検証サイトの登録を行ないます。
すべてのファイルのインデックが確認できれば、カスタム検索にて「電話」と検索してみましょう。
準備した複数のページがすべて、検索エンジンのアルゴリズムによって並び替えられて表示されます。
定期的に観測結果をチェックすることで、SEO的な効果を見ることが出来ます。

titleタグ内のキワード検証結果

それでは、titleタグ内のキワード検証の結果はどのようなものでしょうか。
Googleの場合、先頭に1つ、後半に1つとキワードを2つ配置したものが1位でした。
Yahooは若干、キーワードを詰め込んだものが上位表示する傾向があるようです。
先頭を含めて前半に2つ、後半に1つの3個のキーワードを配置したものが1位となっています。(キーワードを5つ以上詰め込んだタイトルは数ケ月後、インデックスから消えました)
ただし、ここで気をつけていただきたのが、この検証結果は、あくまでもキーワードの配置位置と数にのみしぼった検証テストの結果です。
メインのキーワードに関連したキーワードを含むのか含まないのかによっても結果は異なってきます。

その他の利用法

自サイトと競合サイトをカスタム検索に登録して、メインキーワードで検索をしてみても良いでしょう。
カスタム検索では、同一ドメインから全ページが検索結果にでますので、サイト全体のキーワードへの関連がわかります。

最近話題になっている、metaタグの扱いについても確認できます。
keywordsやdescriptionにキーワードを含ませたページと含ませないページを準備し、カスタム検索に登録をし、結果をみてみましょう。
Googleでは、検索結果にも現れず、たしかにmetaタグを見ていないことがわかります。
Yahooでもmetaタグ見ていないという記事を最近良く見かけますが、metaタグ内にキーワードを配置することで、検索結果には表示されます。
しかし、他の内部要因にキーワードを含ませたページと一緒にカスタム検索へ登録をして、検索結果を表示すると順位が下位に表示されますので、順位決定の要因としてはかなり引くいものであることがわかります。

また、検索順位決定に影響を与えていると思われる項目ごとにカスタム検索を作成しておき、「Yahoo!検索アルゴリズム・アップデート」の告知があるごとに順位変動をチェックし、Yahoo!のアルゴリズムの変更箇所を調べることにも利用できます。

まとめ

Googleでは「オンデマンド インデックス登録」を利用することで、すぐにいろいろな検証ができますし、また、同一ドメインからの検索結果表示件数に制限がないカスタム検索は、アルゴリズムの検証を行なう簡単な方法の1つであるとは思います。

しかし、あまり、この結果にこだわりすぎないようにしましょう。

現在の検索エンジンのアルゴリズムは、いくつもの要因が複雑に絡み合っていますので、内部要因などの表面的なことだけで、検索順位が決まるわけではありません。
また、SEO的に効果がなくなったからやらないというのも間違いです。
多くのユーザをいかに自サイトへ導くかということが、本来目的であり、SEOはそのための手段の1つであるはずです。
いつのまにか上位表示させることだけが目的となってしまい、SEO的な効果にしか目が行かなくなってしまわないようにしましょう。

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