SEOのキーワードを選ぶための3つの要素(EC用)

公開日:2009/8/19
執筆者:fujiiakie

通販サイトがSEOを考えたとき指標にするべきポイントを3つの要素として発信いたします。先に「これだけではダメ」な3つから。

検索結果の件数

そのキーワードのあるページがいくつくらいWeb上に存在しているのかを表していますので、上位表示とは全く関係がありません。たとえば名前の姓で「鈴木」さんは約42万世帯あって「藤井」さんは約8万世帯と同じようなものです。

もっと具体的には、例えば「google seo」の検索結果は387,000,000件、数字2ケタの「65」は921,000,000件で「65」の方が2倍以上の件数ですけど「google seo」をねらっているヒトはたくさんいますので、上位になれる可能性は低くなります。

もっとくわしく別の見方で比較をするならば、allintitle コマンドでタイトルの強さを比較する方法があります。解説が具体的なのでとってもわかりやすいと思いました。

【要点】検索結果の件数は、SEOには全くと言って良いほど無関係

月間検索ボリューム

私がよく目安として書いているGoogleのキーワードツールで検索した月間検索ボリューム(ローカル)ですが、これは簡単にニーズやトレンドを調べるもので、実務ではこの数値だけで分析や報告をすることは(私たちは)まずありません。

検索されている回数が多ければ「見込み客」の数が多いと言えるかは別です。とりあえず集客してアクセス数を増やすことが目的ならばここまででも良いのですが、販売するためにはもっと深く見る必要があります。

【要点】検索によって求められている回数は売上に直結しない

検索ランキング

検索エンジンがユーザーのために表示する優先順位で、これだけを「SEO」として紹介されていることがありますが、マーケティングという戦略の中のひとつの戦術の、さらにひとつのキーワードでしかありません。

例えばキーワード「ネット広告」で4位になったとしても、検索ユーザーが「オンラインの広告って何?」と思って調べていたり「バナー広告を募集したい」っていう目的で検索したのなら、広告スペースを売りたいサイトはアクセスされたとしても名前やデザインをおぼえて頂けるくらいです。

さらには、3位に競合するWebサイトが4位の自社サイトよりも良い内容だったら、クリックされる確率は下がりますし、アクセスがあっても比較されて負けてしまいます。上位表示がゴールになってはいけないのです。

SEM-LABOさんの検索順位はSEOの成果指標にならないも具体的なので、ご参考にされてみてください。

【要点】キーワードの検索順位は競合や検索ユーザーの目的で意味や価値が違う

ここまでは「これだけではダメ」な3つでした。
次は、私が報告に使っている「キーワード分析と成果を上げるため」の3つです。

アクセス解析とキーワード広告の成約数

私がお仕事で契約をさせて頂いているクライアントさんでSEOがある時は、必ずキーワード広告のAdWordsもいっしょになっています。私はその職種の専門ではないので、最初は「どのキーワードで成果が出るのかわからない」のです。

実店舗があるときは商品別に売上を見せて頂きますけど、そこで売れていてもオンラインで同じ商品が売れるとは限りませんし、最適化するキーワードの方向を決めるためには、AdWordsでたくさんのキーワードを設定して調査するところからはじめます。

考え方や方針の違いもありますが、先に売れるキーワードを探すために、スモールからミドルキーワードを数千種類登録(入札)するところから始めるのです。

SEOで上位表示と言っても、それが売れないハズレキーワードだったりページ(コンテンツ)をつくった後に気づいていては時間のムダになります。キーワードを先に決めず、どんなキーワードが求められて売上につながるのかを調べましょう。

【要点】ECサイトでのSEOの実績はコンバージョン数

アクセス解析とキーワード広告の集客数

一番ブレの出ない数値はユニークユーザー数です。有料のアクセス解析以外ではGoogle Analytics が無料なのでココから。期間を指定してユニークユーザー数の推移を見ていると、時間が長くなるほど何が起こっているのかわかります。

この中でリピーターではない「新規」の「セッション数」を見ます。
※アドバンスセグメントの新規を選択

ユニークユーザー数では「新規」が表示されないため、セッション数になるのですが、どのキーワードに強いのかを時間による推移とキーワードの比率で分析します。この数値でECサイトの最適化(SEO)の実力を見ることができます。AdWordsの(ユニーク)コンバージョン数と比較して、強めるキーワードを決めてページの最適化をして行きましょう。

ページビュー数は、内部リンクのはり方やレイアウトで回遊性を上げていくものです。外部からのアクセスの指標としては見ることができないのでご注意ください。

【要点】ECサイトでのSEOの実力と指標はキーワードのアクセス数で見る

アクセス数とランキングの関係

Google analytics でフィルターをつくる

Googleの検索順位とクリックされた数は、Google Analytics で見ることができます。フィルターの設定が必要になるのですが、こちらで「Googleの検索ランキングをAnalyticsで見る方法」が画像付きで解説されていますので、ぜひやってみてください。

この設定をしておくと、フィルターを見るだけでGoogle検索で特定のキーワードの順位とセッション数の関係が一目で見えます。これはGoogleが各データを取れるようにリファラーに仕掛けをしているのでYahoo!ではできません。

ウェブマスターツール で見る

ウェブマスターツールにログインして「ウェブ上のサイト」から「上位の検索クエリ」で、表示回数とクリックスルー(実際にクリックされた順位)を見ることができます。セッション数などは見ることができませんが、こちらの方がAnalyticsよりデータが多いので、Webサイトのキーワードの診断に向いています。

表示回数のランキングは低いのに、クリックスルーでの比率が高いものが集客に強いキーワードです。内部構造を考えて、リンクされやすいページ(コンテンツ)を作りLPOからコンバージョンへつなげましょう。

【要点】キーワードの分析は、Googleの無料サービスだけでも十分できる


私が担当しているクライアントさんは物販が多いのでコンバージョンを重視していますが、高単価な商品になるとリスティング広告(AdWordsやオーバーチュア)の予算が比例して高くなったり、時間をたくさんかけることになり難しくなっていきます。

アーティストのブランディングならば、アクセスやリピーター(ファン)をあつめることがメインになるのでコンテンツの魅力で勝負されたり、コンバージョンがすべてではないこともあります。

大企業などで社名が広く知られているなら、ブランディングの強化、知名度をもっと上げるために、有名な専門業者さんに徹底したSEOを取り入れて頂く方法もあると思います。

今回は、小から中規模なECサイトで、私が実際に使っている方法の一部をご紹介しました。SEOといえば検索順位から入ってしまいがちですけど、そのためにはアクセス解析とAdWordsを利用してキーワードを探すとはやいですよっていうお話でした。

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私のプロフィールにリストがありますのでこちらからどうぞ 🙂

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