際どいモバイルSEOのスパム基準

公開日:2009/8/7
執筆者:佐藤 竜也

4か月以上投稿していませんでした。
お休みしていた間にモバイルSEOに関して試してみたことを一部共有したいと思います。

その前にまず、モバイルSEOを考える上での常識について予め説明します。

見分けが難しいモバイルサイトにおけるクローキング

PCの世界ではスパム(インデックスから消される)と判断されやすいクローキング(クローラーとユーザーで見せるコンテンツを変える)の手法ですが、モバイルの世界においては極めて判断が難しいと考えています。理由としては、モバイルの世界では302リダイレクトを利用したキャリア振り分けが一般的だからです。要するに、ドコモ向けサイト、au向けサイト、SoftBank向けサイトの3つに加えて、クローラー向けサイトが追加されていても、非常に判断が難しいのです。もちろん、厳密に色々なIPやユーザーエージェントなどで調査をすれば発見はできますが未だクローラーの技術がそこまで至っていないのが現状です。

実際、モバイルCPの中で最大手に分類される某社(及びそのグループ会社)のサイトでは、クローラーがアクセスした時のみh1が出たり、テキストボリュームが増えたりしています。site:でキャッシュをチェックすると分かったりします。中小CPにおいても、クローラーにのみ辞書的なコンテンツへのリンクを用意している。というケースがいくつも存在しています。しかし、それらのサイトは現時点(8月4日時点)において、スパムにはなっておりません。では、今モバイルSEOにおいてスパムになりうる基準とは何なのでしょうか。実際に弊社の実験サイトで行い、スパムになったケースを取り上げて説明したいと思います。

ここが今の限界?コピーコンテンツ判定

6月と7月の2回、それぞれ複数サイトがGoogleのインデックスから削除されました。
消されたサイト達に共通していたと考えられる基準は、「コンテンツの一致度が高く、同時期にオープンした。」ということです。

今年の3月に数パターンのモバイルサイトを数十ドメインで構築しておいたのですが、うちいくつかは丸々コンテンツコピーで別ドメインという構造で作っておきました。いずれのドメインも上位表示に成功し、インデックス数≒htmlの枚数くらいまで認識もされていたのですが、それがあだになったように思います。おおむね、全サイトが上位表示し始めてから3か月で消されてしまいました。インデックス数が増えたことで、一致度が高まってしまった。ということが要因ではないかと考えております。しかし、ここにもモバイルならではの際どい線が存在します。それも同じく、キャリア振り分けです。

3キャリア分のサイトを用意する時、サブドメインやディレクトリなど、別URLで3パターンのサイトを用意しているケースは多々存在します。よって、この時点でコピー判定されてもおかしくはないのです。しかしそれはOKで実験サイトはNGだった。その基準は何なのでしょうか。

まず1つあり得るのが、「振り分けがしっかりされているかどうか」です。
振り分けさえされていれば、それらのサイトは1サイトとして認識をすることが可能ですので、「スパムではなく各キャリア用」と判断することが可能です。しかし、3キャリアのサイトともにクローラーだけはアクセスできるようにしている(googlebotを含んでいたら、振り分けをかけない)というケースは多数存在します。したがって、クローラーが3つともみている可能性は大いに考えられます。

そこでもうひとつ考えられるのが、「同一ドメインか否か」です。
前述のとおり、3キャリア分サイトを用意する場合、完全に同一URL、サブドメインで切り分け、ディレクトリで切り分け。の3パターンが一般的かと思います。いずれの方法においても、「同一ドメイン範囲内」ということには変わりがありません。同一ドメイン範囲内であれば、「スパムではなく各キャリア用」として判断し、検索結果に1つは残す。としている可能性もあります。この点については、再調査中です。

その他にもいくつか仮説は考えておりますが、いかにキャリア振り分けである(悪質なコピーではない)ということをクローラーに対してアピールするかは非常に重要な気がします。Y!のクローラーは、3キャリア分整備されておりますが、Gのクローラーは整備がされておりません。まして、EzGoogleクローラーなどという特殊なものまで存在します。よって、なおさら振り分け箇所には注意を払う必要があると思います。

良し悪しが多いキャリア振り分け

キャリア振り分けとクローキングの見分けが難しい。だから色々やってしまえ。という悪用もできます。
逆に、しっかり行われていないと別サイト(コピーサイト)として認識され、スパム扱いをされてしまう可能性もあります。
今後クローラーの精度が高まり、それらの整理がされていく可能性は十二分にありますが、今のうちは「キャリア振り分け箇所」に特に注意を払った方が良いと思います。

最後に

今もいくつかの実験サイトを仕込んでありますので、またわかりましたらご報告させていただきます。

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