コンテンツマッチのキーワード設定でよくある6つの誤解

公開日:2009/5/22
執筆者:鷲見 貴人

アドワーズをはじめてやる人によくみられる現象ですが、グーグル検索とコンテンツマッチをゴチャ混ぜにして、設定しているケースをよくみかけます。

コンテンツマッチ広告というのは、一般のウェブサイトに広告が表示される広告のことです。アドセンス広告と言った方が分かりやすいでしょうか?(広告スペースを提供する側の人はアドセンス、広告をだす側の人はコンテンツマッチ、またはコンテンツネットワークと呼んでいます。)

既にアドワーズをはじめている人であっても、検索のことはよく理解しているけど、コンテンツマッチのことをよく分かっていない方や、検索のキーワードを選ぶのと全く同じ戦略で、コンテンツマッチをやっている方も少なくありません。

特に最近は、コンテンツマッチの精度も上がり、更にはいろんなツール・戦略が使えるようになったことで、アドワーズの効果が一段とアップした(業界によっては、集客の8~9割をコンテンツマッチに頼っているところもあります。)のですが、正しく使わなければ、広告費の無駄使いをしていることもあるかもしれません。

戦略が違うので、コンテンツマッチ用のキャンペーンを作ることが大前提です。

その1 – グループ単位で、1つのテーマが作られる

検索ネットワークの場合は、キーワードをグループ内に設定すれば、そのキーワードで検索があった時に、自分の広告が表示されるという仕組みでした。

アドワーズをやっている人であれば、ここまでは理解していると思います。(逆に、これを理解しないままアドワーズをやっている人がいたらちょっと怖いですが…)

ところが、コンテンツマッチになると、グループ内にある1つのキーワードは、グループ単位でテーマを作るための素材でしかありません。

どういうことかというと、例えば、『SEO』というキーワードをコンテンツマッチ広告のグループに設定したからといって、必ずしも『SEO』というキーワードが存在するサイトにアドセンス広告が表示されるというワケではないということです。

もちろん、『SEO』をグループ内に設定することで、その可能性は高くなりますが、グループ内にあるその他のキーワードの影響も受けるのです。

キーワードがたくさんあり過ぎたり、属性が異なるキーワードが同じグループ内にあったりすると、Googleがテーマを導き出すのに混乱し、広告の表示回数が増えないという問題になります。

その2 – グループに設定されているキーワードは50個まで

上記でも述べましたが、コンテンツマッチの広告は、グループ内に設定されたキーワードの全体が分析されて、適切なテーマが導かれ、そのテーマに合ったアドセンスサイトに広告が表示されるという仕組みです。

ところが、同一グループ内で考慮されるキーワードは、最大で合計50個までなのです。

ということは、グループの中に50個以上のキーワードが詰め込まれている場合は、無視されているキーワードも出てきます。(どのキーワードを採用して、どのキーワードを無視しているのかは不明ですが…)

検索ネットワークの場合は、キーワードにマッチさせた広告文を作るために、細かくグループ分けが必要なので、同一グループに設定するキーワードの数は20個ぐらいがベストでしたが、コンテンツマッチの場合は、それとは別の理由でもグループ内のキーワード数を少なめにする必要があります。

その3 – レビューはグループ単位

上記の理由から、レビューをする時もグループ単位ですることになります。グループ内にあるどのキーワードがパフォーマンスが良いのか知ることはできません。

解析したいキーワードがあるなら、そのキーワードがグループ全体のテーマになるような設定をすることです。

もちろん、入札価格もグループ単位で決まります。キーワード別に単価を指定した場合は、個別の単価の平均が入札価格になります。(広告グループ全体で単価を決めている場合は、その単価が採用されます。)

それから、これはあまり知られていませんが、コンテンツマッチの平均記載順位は、適切な数字を表示することができないため、表示されません。

詳しい理由は、AdWords日本版公式ブログのこちらの記事を参考にしてください。

ですので、検索ネットワークのように、広告の記載順位で一喜一憂する必要はありません。

その4 – 完全一致が使えない

上記の1~3までを正しく理解して頂ければ、必然的にそうなるのは当然なことが理解して頂けると思いますが、コンテンツマッチのキーワード設定は完全一致が適応されません。

仮に、無理やり完全一致の為に [カッコ] をつけたり、フレーズ一致の “ダブルクオーテーション” をつけて設定したとしても、全て部分一致の扱いになります。

キーワードが部分一致の扱いになるというよりは、グループのテーマが部分一致のような扱いになると言った方が正しいのかもしれませんが、とにかく『自分の広告が出ているアドセンスサイトに、設定したキーワードが無い』ことも十分にあり得ますし、それはGoogleが設定したキーワードと関連しているサイトと判断したので、表示されているのでしょう。

その5 – 一般的なキーワードでも大丈夫

セミナーなどで、検索ネットワークの話をする時に、まずロングテールの話をしてから、ビッグキーワード・スモールキーワードの話をして、ニッチなキーワード・複合キーワードが大事であるということをよく話します。

例えば『SEO』というキーワードを使って検索してくる人の中には、

  • SEOのやり方が知りたい人
  • SEOの代理店を探している人
  • SEOという言葉の意味が知りたい人

などなど、いろんな人が含まれます。つまり、その分だけ見込み客でない人に対して広告を表示させて無駄なクリックを発生させてしまう可能性も大きいというわけです。

それからもうひとつ、『SEO』というビッグキーワードには、競争が激しく、大手サイトや資金的に勝ち目のないサイトが多く存在します。

それを回避するために、検索ネットワークではターゲットを絞ったニッチなキーワード・複合キーワードで攻めるようにアドバイスしていますが、コンテンツマッチでは、一般的なキーワードを使ったほうが上手くいきやすいケースが多いのです。

検索の方ではあまりにも競争が激しすぎたビッグキーワードも、コンテンツマッチでは思い切ってチャレンジしてみましょう。

その6 – 除外キーワードの幅が利きすぎる

一般的なキーワードでも大丈夫な反面、除外キーワードが適用される範囲は多少広めに設定されます。

除外キーワードを設定してしまったことで、標示回数が激減してしまうこともあります。

ちなみに個人的ではありますが、僕自身コンテンツマッチで除外キーワードを使うことは滅多にありません。

コンテンツマッチでは、本当に必要のないキーワードだけを厳選して除外キーワードに設定するか、除外キーワードの必要のないキーワード選びをするか、若しくは、キーワードを除外するのではなく、関連性の薄いサイトに表示されていると分かったら、そのドメインを除外するか、よく考えて設定するのが良いでしょう。

如何でしたでしょうか?

検索ネットワークとコンテンツマッチは、キーワードだけでもこれほどの違いがあるのです。もちろん、それによって戦略も異なります。

次回は、キーワード以外の部分での違いや、その戦略について紹介していこうと思います。お楽しみに。

ありがとうございました。
鷲見

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