モバイル検索ユーザーとの上手い付き合い方

公開日:2009/3/19
執筆者:佐藤 竜也

はじめまして。プラスアール(元・フラクタリスト)の佐藤竜也です。

フラクタリストでは、2006年にモバイルSEO事業を立ち上げ、自らもコンサルタントとして延べ150サイト以上をお手伝いさせていただきました。非常に幅広くモバイル検索ユーザーの行動を見ている中で、自分でサービスを作りたくなり立ち上げたのが株式会社プラスアールです。
メイン事業は自社メディア事業ですが、これまで培った知識や自社メディアで培った知識の両方をご紹介することで、何かしら皆様のお役に立てればと思います。あまりに当たり前の内容は好きではないので、少し違った視点での内容をいろいろと投稿できるようにしてまいります。

まず始めは、広いお題で「モバイル検索ユーザーとの上手い付き合い方」を3つほどご紹介させていただきます。
よろしくお願いいたします。

モバイルサイトを立ち上げるなら、必ず公式化を狙う。

いきなり変な内容だと思われるかも知れませんが、非常に重要です。
たとえ、課金しないサイト(無料情報サイト)であっても、公式化を狙ってください。
というのも、公式サイト向け検索エンジン(imenu検索、EZGoogle)の利用者が非常に多いからです。
かつて、KDDIの発表資料で”一般検索とPC検索部分が多い”というデータが出たことがありますが、今の流入数をみる限り圧倒的に公式検索の方が多いと言っても過言ではないと思います。
以前、あるビッグワードで公式・一般ともに1ページ目(キャリアはauです)に入れていたことがありますが、4~5倍の差はありました。もちろん、それは極端な例かもしれませんが、上部に表示されるアドバンテージはかなり大きいです。

では、公式サイトに入れるかどうかの基準はどのくらいなのでしょうか?
私自身が延べ100サイト以上の申請をお手伝いしてきた経験を元に、”主観”で(キャリア様に怒られない程度に)簡単に紹介します。

  • ドコモ:かなりハードルは高いですが、一昔前よりはだいぶ下がった印象があります。課金サイトであれば、検討すべきだと考えます。
  • au:独自コンテンツを一定量持っていれば、非常に高い確率で入れる。と言っていいと思います。もちろん、消費者金融や美容整形などのサービスサイトは規約上難しいですが、それらの企業でもサテライトの情報サイトで入れている企業もあります。さらに最近では、PCのSEOを手がける企業や、モバイルSEO専業企業も一般情報サイトで公式サイトに参入してきています。そのくらい入りやすいのかも知れません。
  • SBM:auと同程度のレベルだと思います。auよりも申請資料は簡単です。

ドコモの公式サイトに入ろうと思うと、本格的に”モバイル参入!”という感じですが、他2キャリアであればPCサイトのモバイル版として検討してみてもよいと思います。

auユーザーを大切に扱う

これまた意外な内容かもしれませんが、かなり実感をしています。
というのは、モバイル独自の環境問題ですが、ドコモユーザーのリファラはキャリアの制約にて取得できません。
ですので、ドコモユーザーのリファラワード(流入ワード)分析ができないのです。

おおよそモバイルユーザーの50%を占めるドコモの分析ができないことは、検索マーケティングをしている人間としては非常に痛いことですが、リファラワードの分析は欠かすことができない作業です。したがって、2番目にユーザーが多く、確実にリファラワードが取得できるauのユーザー分析を行うことが非常に重要になってくるのです。

もちろん、多少はキャリア間のユーザー属性差異(ドコモは昔からのユーザーが多く、auは学割のタイミングで入ったユーザーが多いなど)がありますが、まずはauのユーザー分析を行い、対策を検討・試行をした上で、キャリア別のサイトになっている場合にはドコモサイトに派生させる。というのが一番いいと考えています。その上でも、au向け検索で上位表示していないとそもそも分析も何もできないので、(auユーザーの利用率が非常に低い)Yahoo!モバイルよりもGoogleモバイルの方がその後に活きやすい検索エンジンと言えるかも知れません。

GoogleAdWordsのキーワードツールはフル活用

最後は若干常識的な内容かもしれませんが、多くのモバイルCP様は実施していないと思います。
その理由は、”リスティングを代理店に任せているから”だと感じています。

ワードが多岐にわたり、管理も面倒なのでお任せする。というのは当然ですが、この貴重なツールはぜひ使っていただきたいです。

キーワードツールで得られる情報は、もちろんリスティングやSEOへの活用がメインになりますが、自社サービスの新規コンテンツ検討にも役立つということを是非御認識いただきたいと考えています。私も自社サービスや協業サービスのコンテンツを検討するにあたり、キーワードツールで15000ワード位の検索数を調べ、モバイル検索ユーザーの思考がすこし理解できた気がします。

最後に

私自身、モバイル検索対策は単に”流入を稼ぐ手段”というよりは、モバイルユーザーのリアルニーズとの接点と考えています。リファラワードを1時間くらいリアルタイムで眺めていることもありますが、非常に面白いです。(こんな時間にこんなことを調べるんだ~といったことがあります。)
まとめてしまうと単純な分析用データになりますが、1つ1つをピックアップするとそれは貴重なユーザーの声だということをしっかり意識すべきだと考えています。

今後も、モバイル検索を中心としたモバイルサービスの作り方をご紹介させていただければと思います。
引き続き、よろしくお願いいたします。

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