『Building Findable Websites』 書評
スマートシステムの阿曽です。
オフィス引越ししました。いやはや、引越しって大変ですね。
さて。
Building Findable Websites
Aaron Walter著
という本が出ています。書評を書こうと思っていて遅くなってしまいましたが、何とか年内に駆け込みで。
SEOと関連してファインダビリティ(見つけやすさ)という観点でウェブサイトに関してまとめてあります。
全体としては、ウェブ標準=検索トラフィック増大、という考え方がベースにありますから、ウェブ標準原理主義にも思えますけども、実際の中身は割合と柔軟にファインダビリティという概念をうまく活用して説明されています。
今後SEOに関して、ウェブサイトの単純な上位表示を目標としていくよりも、もう少し総合的な視点であるウェブサイトの見つけやすさ、に移ってくるかと思いますが、その流れをBuilding Findable Websites (見つけやすいウェブサイトを構築する)とうまく押さえたこの本はトレンドかと思いました。内容はマニアックなところはなく、ウェブマスターが配慮すべき点をバランスよく記述している感じです。
次が目次です。私のほうで簡単に訳をつけています。最初のほうの項目は内容を一部抜き出して訳してみました。ちょっと読みにくいところがあるかもしれません。
Building Findable Websites 目次
1. Introducing Findability 「ファインダビリティ」について
- What is Findability? 「ファインダビリティ(見つけやすさ)」とは何か?
- The Development Side of Findability サイトを構築する側におけるファインダビリティ
- The Deepest Desires of Search Engines 検索エンジンのもつ潜在的な願い
- Beyond Search Engine Optimization SEOを越えて
- Get your Team on Board from the Start 最初にあなたのチームをまとめよう
- Using Your Moral Compass to Guide Your Way どの道を行くかあなたの道徳基準を使う
(1)人々があなたのサイトを見つけられるように助けること
(2)人々があなたのサイトに来たときに1度で探しているものが見つけられるように助けること
(3)あなたのウェブにもう一度来てもらうこと
・コンテンツが自然にキーワードが多く(詰め込みでなく)、読者に有用であること
・コンテンツが検索エンジンロボットに見えるようになっていて、すべてインデクシングできること
・コンテンツの情報階層が明瞭で、ロボットが何についてのページが分かるようになっていること
・コンテンツの読み込みが早く、ロボットが効果的にインデックスできること
・定評あるサイトからのリンクがあり、検索エンジンがあなたのサイトの評価が出来ること
・検索エンジンをだまそうとするコンテンツでないこと
・ページ当たりHTMLのコードよりコンテンツが多いこと
・可能であれば、キーワードを含んだすっきりと意味のわかるURLにすること(※英語向け)
・しばらく使用しているドメインであること
2. Markup Strategies マークアップ戦略(コーディングの方法)
- A Web Standards Primer ウェブ標準入門
- Web Standards and Findability sitting in a Tree … ウェブ標準とファインダビリティは1つの木
- Accessible Content is Findable Content アクセシビリティのあるコンテンツはファインダビリティのあるコンテンツ
- The Findability Benefits of Microformats マイクロフォーマットのファインダビリティでのメリット
3. Server-Side Strategies サーバ側の戦略
- Files and Folders: The Power of a Name ファイルとフォルダ:ファイル・フォルダ名の力。
- Choosing and Managing Domain Names ドメイン名を選ぶ。
- Building Search Engine Friendly URLs サーチエンジン向きのURLを構築する。
- Moving Pages and Domains with 301 Redirects 301転送でページとドメインを移転する。
- Getting Users Back on Track with Custom 404 Pages 専用404ページでユーザを引き戻す。
- Optimizing Performance for Efficient Indexing 効果的なインデクシングのための最適化。
- Controlling Search Engine Indexing with Robots.txt ロボットtxtによるインデクシングのコントロール。
4. Creating Content that Drives Traffic トラフィックを発生させるコンテンツをつくる
- Content that Sucks (Users In) 顧客に刺さるコンテンツ。
- Content Karma カルマ(業)としてのコンテンツ (※ちょっと変な説明だけど)
- The Mark of Quality Content 質の高いコンテンツとしてのしるし。
- All Roads Lead to Content すべての道はコンテンツに通ず。
- Content of Many Flavors 多くのフレーバーのあるコンテンツ。
- Targeting Keywords in Your Content コンテンツ内でキーワードにターゲットを絞る。
- Placing Keywords in Your Content コンテンツ内にキーワードを置く。
- Content Development Strategies コンテンツ製造戦略。
5. Building a Findable Blog ファインダブル(見つけてもらえる)ブログをつくる
- Blogging Best Practices to Improve Findability ファインダビリティを改善するためのブログを書くベストプラクティス。
- Working with WordPress WordPressでつくる。
- Making Your WordPress Blog More Findable あなたのWordPressブログをより見つかりやすくする。
6. Adding Search to Your Site サイトに検索をつける
- Using Free Search Systems 無料の検索システムを使う。
- Purchasing Search Systems 検索システムを購入する。
- Building Your Own Simple Product Search System 簡単な製品検索システムを構築する。
- Adding OpenSearch to Your Site アマゾン提供のA9のようなオープンサーチを入れる。
7. Preventing Findability Roadblocks ファインダビリティの障害を取り除く
- Avoiding JavaScript Pitfalls Javascriptの落とし穴を避ける。
- Progressive Enhancement HTML,CSS, JavaScriptの構造を管理してブラウザの違いの影響を抑える。
- Findable Flash 見つけてもらえるFlashにする。
- Findable Audio and Video 見つけてもらえる音声とビデオにする。
8. Bring Traffic Back With a Mailing List メーリングリストでトラフィックを引き戻す
- Encouraging Subscriptions 購読を促す。
- Using a Mailing List Management System メーリングリスト管理システムを使う。
- Building an Ajax-Powered Subscription System Ajaxによる購読システムを構築する。
9. Putting Findability Into Practice ファインダビリティ(見つけやすさ)を実践に。
- A Prioritized Approach 優先順位をつけて実施する。
- Discovering Problems on Your Site サイトの問題点を発見する。
- When Will You See Results? いつ結果が出るか?
- Final Notes: The Day Findability Saved the World 最後に。ファインダビリティが世界を救う日。
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内容的には、「見つけてもらえるサイトをつくる」という観点から目配りされて書かれていますので、良い感じだなあと思いました。
あと、著者のかたのプロモーションサイトにはボーナスチャプター(オマケ)のpdfがあります(内容はオマケ的ですが)。
http://buildingfindablewebsites.com/bonus-chapters.php
そんなわけで、良いお年を!
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